JR100/200エンジン
1962(昭和37)年当時、将来の航空機として垂直離着陸(VTOL)機が大きく取り上げられ、その実現に必要なリフトジェットエンジンとしてJR100とJR200を開発しました。
JAXA航空技術部門の前身である「航空技術研究所(NAL)」は、我が国の航空技術を急速に向上させるために研究機関や大学、企業が必要な試験設備を整備するところから始まりました。
以降JAXAは大型試験設備の供用や最先端のジェットエンジン技術、構造・複合材料技術、コンピューターを用いた空力技術・数値解析技術などを開発し、実際に航空機や装備品の製造に活かされています。
代表的な研究テーマや、施設を中心に、これまでの航空技術部門の歩みについて振り返ってみましょう。
※各項目をクリックすると詳細情報が表示されます。
JR100/200エンジン
1962(昭和37)年当時、将来の航空機として垂直離着陸(VTOL)機が大きく取り上げられ、その実現に必要なリフトジェットエンジンとしてJR100とJR200を開発しました。
フライングテストベッド
1971(昭和46)年6月に自由飛行に成功したフライングテストベッド(FTB)は、わが国初めてのVTOL飛行を目指した研究機であり、試作研究は昭和40年に始まりました。全長10m、幅7mの機体で、JR100エンジン2基を配置しています。
FJR710エンジン
我が国初の高バイパス比ターボファンエンジンで、STOL実験機「飛鳥」の主翼上面に取り付けられています。このエンジンの高空性能試験がイギリスのNGTE(当時)で行われ、その高度な技術が認められることにより、現在エアバスA320等に搭載されている国際共同開発エンジンV2500の日本参加にもつながっています。
調布航空宇宙センターにあるFJR710は、日本機械学会の「機械遺産」第7号に認定されています。
STOL実験機「飛鳥」
「飛鳥」は、C-1輸送機を母機に、FJR710ファンジェットエンジンやUSB方式による高揚力技術、フライ・バイ・ワイヤなどを搭載した、短距離離着陸機(STOL)実験機です。1985(昭和60)年10月から1989年(平成元)年3月まで97回の飛行実験を行い、その間コンピュータプログラムの改良、飛行性能向上のためのエンジンナセルのフィンの装着などにより、最終的にSTOL操縦法を確立しました。この結果、離陸距離509m、着陸距離439mというSTOLの性能を実証し、実用機開発に必要な多くの技術データを取得することができました。
現在この実験機は、岐阜県のかがみがはら航空宇宙博物館に展示されています。
HYPRプロジェクト
マッハ5クラスの超・極超音速輸送機用推進システムに必要技術を研究開発することが目的で、世界の民間エンジンでは初めてコンバインド・サイクル・エンジンを技術実証しました。2000年にICAS(The International Council of the Aeronautical Sciences)からフォン・カルマン賞を受賞しています。
実験用航空機「クイーンエア」(ビーチクラフトB65)導入
実験用航空機として初めて導入されました。現在は日本航空専門学校能登空港キャンパスで活用されています。