宇宙航空研究開発機構

MuPAL-α帰還しました

修理改造のため、仙台空港そばの整備工場に入工していたMuPAL-αが、今日戻ってきました。


戻ってくるのはもともと昨日の予定でしたが、調布飛行場がIMC(計器気象状態)のためにMuPAL-αが戻れなかったのと、来週の前半も天候が崩れる予報のため、休日の土曜日に戻すこととなりました。


今日は晴れました。


久しぶりの格納庫入りです。


後席の機器ラック。



なにかが足りない、、、、
そうなんです、計算機がひとつありません。
今回の仙台での修理改造の目的は、「計測データ処理計算機」のリニューアルでした。


以前はこのような計算機が鎮座していました(中段の右側のグレーの機器)。



交換理由ですが、、、、
計測データ処理計算機は、実験中のデータを記録するためのものですが、老朽化が進んだせいで、なかなか起動しなかったり、飛行中に再起動がかかりデータがとれなかったりという問題が頻繁に起きていました。
飛行中のデータが取得できないと、あとで解析が行えなくなり、飛行実験にかなり支障をきたしていました。


今回新しく搭載した、「計測データ処理装置」です。


小型になったため、計測員席の下のラックに搭載しました。



以前、計測データ処理計算機を使っていて、老朽化にともなって問題が起こるようになってからは、その不具合に対処するために、わざわざうしろの機器ラックまで歩いて行って、複雑な起動手順で立ち上げていました。でも、これからは電源ONだけすればよくなり、楽になりました。
計測データも、メモリカードに直接保存されるようになったので、専用のデータ読み取り装置を使う必要もなく、読み取りにかかる時間も大幅に短縮されました。
ちなみに以前は、時間をかけてFTPを使ってファイルを読み出していました。
FTPとは、計算機同士をネットワークでつないで、ネットワークを介してファイルを送ったり受け取ったりする通信手順のことです。古い計測データ処理計算機では、データ読み取り装置が故障してしまい、FTPを使ってデータのファイルを読み出すしか方法がありませんでした。しかも、今と比べてデータの転送速度が遅く、このFTPファイル転送に長い時間がかかっていました。
計測データ処理装置の理由で実験が変更や中止になることは、今後なくなると期待しています。

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