実エンジン環境材料試験設備
ジェットエンジンで最も高温にさらされる高圧タービン翼には、ニッケルを主成分とする単結晶合金が使われており、合金の成分を変えることで、より高温に耐えられる新しい材料が開発されています。この設備では、実際のジェットエンジンと同等の使用環境で、新材料の寿命評価に必要なデータの取得を行います。得られたデータはエンジンの燃費向上設計に役立ち、CO2排出削減に結び付きます。
この設備は、「高温・高圧燃焼雰囲気試験装置」と「高温度落差バーナー/材料・コーティング試験装置」の2つで構成されており、金属材料以外にも、耐熱複合材の試験にも対応可能です。前者では温度・圧力ともに実機並の厳しい環境での耐久試験を、後者ではエンジンの運転・停止のサイクルに伴う温度変化の影響を短時間で評価することを目的としており、更に燃焼ガス中に微粒子を混入させる高温エロージョン試験も可能になりました。
高温・高圧燃焼雰囲気試験装置
燃焼ガス |
燃料 |
灯油 |
圧力 |
3.0MPa |
温度 |
1,500~1,700℃ |
流量 |
2.5kg/s |
流速 |
85m/s |
試験体冷却空気 |
圧力 |
3.0MPa |
温度 |
400~550℃ |
流量 |
0.15~0.3kg/s |
高温度落差バーナー/材料・コーティング試験装置
バーナー |
燃料 |
灯油 |
圧力 |
大気圧 |
温度 |
700~2,000℃ |
流量 |
0.08kg/s |
流速 |
300~800m/s |
試験体冷却空気 |
圧力 |
3.0MPa |
温度 |
100℃以下 |
流量 |
0.15kg/s |
荷重付加装置 |
最大荷重 |
15kN |