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宇宙航空研究開発機構

D-SEND#2飛行試験成功~3度目の挑戦

JAXAメールマガジン第252号(2015年9月18日発行)
吉田憲司

皆さん、こんにちは。久しぶりに登場のD-SENDプロジェクトマネージャの吉田憲司です。この度、7月24日にようやくD-SEND#2飛行試験に成功することができました。
思い起こせば長い道のりでした。2年前の飛行異常発生時、現地(スウェーデンのエスレンジ実験場)も東京も事象の分析とデータ収集に必死で、まさに眠れない毎日の連続でした。その後の外部有識者委員会による原因分析と対策検討の厳しいハードルを乗り越え、各種審査を経て、2014年8月に再挑戦できたときはチームの底力を強く感じました。ところが、この年はあいにく気象条件が整わず、結局試験実施には至りませんでした。天気が相手では誰も恨むことはできませんが、「なぜ試験ができないのか! あんなに頑張ってきたのに!」というどこにもぶつけられない怒りにも似た思いが湧きましたが、一方で最後の最後まで試験のチャンスを探り続けてくれたスウェーデン宇宙公社(SSC)の皆さんの顔が、“我がことのようにすまない”と思っているように感じられ、もう一度挑戦する気持ちが湧いてきたのを覚えています。「試験中止!」を宣言した後、自然にSSCの皆さんへ感謝を込めた握手ができたとき、「来年必ずトライするぞ!」との強い決意を持ったことが、その後の原動力になりました。
さて、いくら自然相手とは言え、次回がもし同様な気象状況の場合でも何とか試験機会を確保できるように対策を検討しました。チーム一丸となって様々なアイディアを考案し、航空技術部門で議論を重ね、今年1月ようやく経営審査で了承を得るに至り、3度目の挑戦の道が開けました。具体的には、1.試験期間を昨年の2倍に延長、2.分離パターンを2種類に増加、3.分離可能な高度範囲を拡大、4.ブーム計測班の増員と雨除け小屋の設置による準備時間短縮、などです。まさに“背水の陣”の思いで臨みました。
試験の準備は順調に進み、計画通り6月29日から試験期間に入りました。そして、7月22日の気象会議で、2日後の全ての気象条件がGO判断(グリーン表示)となり、23日からカウントダウン(CD)が始まりました。ちなみに、"ゲン"担ぎの意味で、気象会議に参加するとき何かグリーンのものを持参しよう、という本田サブマネージャの発案で、私はSSCで売っていたグリーンのTシャツを着て臨みました。そして、試験GOが判断された時(オールグリーン)、思わず上着を開けてTシャツを見せてしまいました。そしてCDは順調に進み、念願の飛行試験成功に辿り着いたわけです。現在は、まだデータを解析中ですので、その結果につきましてはまた別な機会にご紹介させて頂きます。
最後に、試験後のプレス発表を受け、「夢の超音速機 3度目の挑戦!」という記事が出ました。感激です! まさに「その夢のために諦めず、ようやく3度目で成功を手にした!」と言う気持ちを端的に表現していたからです。ようやく夢の超音速機の実現に向けて大きな一歩が踏み出せました! 皆さまの応援とご支援に深く感謝致します。

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