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宇宙航空研究開発機構

役に立つことを目指す

数値解析グループ
橋本 敦(はしもと あつし)

学生時代からずっと、数値流体力学(CFD)の研究に携わっている橋本さん。自分が開発したソフトが学生のCFD理解の一助となっていることが誇りです。

初めて出合った“全く分からない”

先日、部屋の片づけをしていたら高校時代の進路相談の資料が出てきたのですが、そこには「研究者になりたい」と書いてありました。大学は航空宇宙学科に進学しています。ただ、どういう経緯で研究職や航空宇宙の分野に興味を持つようになったのか、明確には憶えていません。理系に進んだのは、理科や数学が好きで得意だったからです。逆に、国語や社会のテストでは散々な点数を取っていました(笑)。 大学に進学し様々な授業を受ける中で「流体力学」の授業が一番面白いと感じるようになりました。初めて授業を受けた時“全く分からない”って思ったんです。そのあまりの分からなさに逆に惹かれました。

研究機関と企業の違いを肌で実感

大学時代より、コンピュータを使って流体の動きを解明するシミュレーション手法である「数値流体力学(CFD)」の研究に携わっています。わたしがCFDの研究を始めた当時、流体の流れを解くだけでは研究としての新鮮味は無い時代になっていました。そこで、飛行機の翼が振動する現象である「フラッタ」をCFDで解析する手法の確立に取り組んでいました。
大学院生時代には、ロケット打上げの轟音がフェアリング内部に伝播する「ロケット音響」に関するCFD解析をJAXAと共同研究しました。また、企業とも共同研究を行ないました。それにより、企業と研究機関、それぞれのニーズを肌で感じることができました。この経験は、今でもとても役に立っています。JAXA内で解析を委託されたり、企業の人と仕事をしたりすることはよくありますので。
就職を真剣に考えた時、将来の実用化が必要となるであろう先進的な技術の研究開発を行いたいと思い、研究機関への就職を希望するようになりました。日本の航空宇宙の研究機関と言えばJAXAです。そこでJAXAを受験し、無事入社することができました。

授業にも役立つことの嬉しさ

JAXAに入社して今年(2011年度)で5年目です。色々な解析や研究に携わらせてもらっていますが、自分の中で一つ、“これ!”という物を挙げるのであれば「FaSTAR(ファースター)」の開発ですね。これは、名前の通り、高速での解析が行えることが売りの解析ソフトです。FaSTARを使うことで、これまでのCFD解析の効率化と省エネ化が図れます。名前に「STAR(星)」を入れたのは、JAXAらしさを出したかったからです。
JAXA内ではもちろん、大学の先生方にもご使用いただいています。東京大学や名古屋大学ではCFDの授業に採用されており、学生がCFDの重要性を理解するのにも役立っています。学生の皆さんのお役に立っているというのは素直に嬉しいですね。
今後も、役に立つ研究を行いたいと考えています。直ぐに実用化できる研究も重要ですが、将来役に立つような研究を見極め、携わって行くことができればと思います。

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