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宇宙航空研究開発機構

電気推進機の開発効率化に向けたプラズマ解析技術

小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンに代表される電気推進機では、プラズマ化された推進剤を電磁気力によって加速することで推力を得ています。電気推進機はその燃費の良さから数年に及ぶ長期ミッションで非常に有用となるのですが、長寿命が故に耐久性評価に長期にわたる試験が必要となってしまいます。また、性能評価にも宇宙環境を模擬し得る大型真空槽が必要となり、これらのコストが開発上大きな足かせとなっているのも事実です。近年は宇宙探査機のみならず静止衛星などの大型衛星でも電気推進機を利用しようとする動きが世界的に活発になりつつあり、国際的競争力強化のために電気推進機開発の効率化が求められています。そこで本研究では、推進機内部のプラズマ流れを解析可能なツールを開発し、流れ場理解の促進や数値解析による性能評価及び耐久性評価を実現することで、推進機開発の効率化を目指しています。
電気推進機内部のプラズマモデルとしては、計算負荷の小さい順にMHD(流体モデル)、Hybrid-PIC(イオンは粒子、電子は流体で近似)、Full-PIC(イオン、電子ともに粒子として扱う)などがあり、これらを解析対象によって使い分けています。イオンエンジン、ホールスラスタ、MPDスラスタといった主力推進機や、静電加速に不可欠な中和器(電子源)などが研究対象です。

マイクロ波放電式電子源の3次元Hybrid-PIC解析例(イオン密度)

ホールスラスタの2次元Full-PIC解析例
(左: 電位とイオン流線、右: エネルギーバランスと熱負荷)

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