ひずみと振動に関する革新計測技術

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2015年3月25日

Lamb波による非破壊検査手法の実証実験をMaVESで実施

振動計測するMaVES-c


Lamb波の計測例

航空機の損傷検査を広範囲で効率的に可能とするために、Lamb(ラム)波による非破壊検査手法の研究を、芝浦工業大学および北海道大学と共同で実施しています。
非破壊検査の方法として従来でも超音波を利用した方法はありましたが、一度に検査できる範囲が狭く、また機器を検査対象の物体に接触させる必要もあるため、精度、効率性に課題があります。
2014年9月~12月に行った実験では、物体に直接触れず、レーザーを使って物体に振動を加え、Lamb波という超音波弾性波を発生させ、弾性波が物体を伝播する様子をJAXAのMaVES-c(小型多軸振動非接触自動計測システム)で計測する実験を行いました。
Lamb波は、平板や棒状構造の物体を、減衰が少なく長距離を伝播する特性があります。しかしこのLamb波の伝播を面的に計測・可視化することは、従来の設備では時間的・能力的制約から困難でしたが、MaVESを活用することによって、短時間で伝播の様子を可視化できることが確認できました。
今後は、さまざまな種類の損傷に対してこの方法を適用して損傷検知の実証を行っていく計画で、将来は航空機の損傷検査へ適用し、整備(検査)効率の向上への貢献することを目指しています。