災害・緊急時等に活用可能な小型無人機を含めた運航安全管理技術の研究開発(DOER、MASRAO)
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有人機と無人機(ドローン)の連携に係る実証実験を「令和7年度緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」で実施
災害時におけるヘリコプター(有人機)とドローン(無人機)との情報共有技術の開発状況を確認するため、10月25日、26日に奈良県で開催された「令和7年度緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」において、JAXA航空技術部門と協定を締結している神戸市消防局と連携して実証実験を実施しました。
2024年1月に発生した能登半島地震においては、公的機関が運用する無人機(ドローン)だけでなく、民間事業者が運用する無人機(ドローン)も非常に多く災害救援活動に従事しました。今後、災害時における官民のドローン運用は、より活動機数や活動範囲が拡大することが予想されます。しかしその一方で、災害救援活動を実施する有人機(ヘリ)とドローンとの情報共有や、民間事業者が運用するドローンの活動状況の把握を効率的に実施するための技術や手順については、まだ確立されていません。また、省庁で運用されているヘリの情報と、海外製ドローンとの情報共有体制の構築方法についても、セキュリティ確保に関する課題が残されています。
今回の実証実験では、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)で研究開発を進めている「DOER」システムを活用、またK Programを共同で実施している株式会社NTTデータ(以下、「NTTデータ」)、Terra Drone株式会社(以下、「テラドローン」)と連携して、訓練で実際に官民が運用する複数種類の海外製ドローンを同じ画面上で共有する実証に成功しました。官側のドローン運用については神戸市消防局、また民間ドローンの運用については、一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(以下、「DPCA」)にご協力を頂きました。
訓練1日目の訓練サブ会場において、NTTデータが開発している無人機用の運航管理システムを使用して、DPCAが運用する海外ドローンの位置情報をDOERシステムに送信しました。サブ会場では、ドローンが飛行する前に兵庫県防災ヘリが活動を行っており、兵庫県防災ヘリとドローンの位置情報を同じ画面上に表示できることを確認することができました(図1)。また、サブ会場周辺には多くのヘリが訓練のため飛行しており、その状況もリアルタイムで把握することができました(図2)。
訓練メイン会場では、訓練1日目、2日目ともに神戸市消防局が運用する海外製ドローンとの連携を行いました(図3)。連携にあたっては、テラドローンが開発している無人機用の運航管理システムを使用してDOERシステムに位置情報を送信しました。DOERシステムでは有人機と無人機の位置関係を分かりやすく表示するために3D表示も研究開発しており、表示方法も含めて災害対応機関の方々にコメントを頂きました(図4)。
今後は、災害対応者の皆様より頂いたコメントも含め、連携が可能なドローンをさらに増やしたり、有人機と無人機の活動状況をより分かりやすく表示するなど、より使いやすいシステムとなるよう研究開発を進めます。
本実証実験を実施するにあたり、「令和7年度緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練」主催の奈良県に多大なご協力・ご支援を頂きました。特に奈良県広域消防組合消防本部の皆様に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
図1 兵庫県防災航空隊ヘリ活動中、待機しているドローン(10月25日)
図2 DOERシステムによる有人機とドローンの飛行状況表示例(10月25日)
図3 訓練会場でのドローンによる情報収集活動(10月25日)
図4 訓練会場でドローンの飛行状況を説明(10月26日)