回転タービン試験設備

本設備は2019年度に建設されたオープンループ型のタービン回転試験用大型設備で、実機スケールのタービン要素にも対応できます。

第一の特長として、連続定常作動式であることから、長時間にわたって安定した作動条件を保つことができ、詳細な空力計測や様々な作動点での計測を行うのに適しています。これは、より一般的に使われているブローダウン式のタービン設備では実現困難です。

第二の特長として、タービンの主流だけでなく、2 次空気と総称される冷却空気やシール空気等も模擬でき、これらが主流に混合することによって生じる様々な流体現象を実機さながらに忠実に再現できます。
このことは、特に最先端の高温・高圧のタービンの性能を正確に評価する上ではきわめて重要なポイントです。

第三の特長として、本設備では空気力学的に実機と等価な試験条件が実現できることがあります。主流の代表的な空気力学的パラメタとしてはレイノルズ数やマッハ数がありますが、本設備ではこれらの主要なパラメタを高温・高圧のタービン実機条件と合わせることができるので、原理的に、タービンが実際にエンジンで作動している状態とまったく等価な性能評価が可能です。

さらに、前述した2次空気に係るパラメタ(冷却空気の流量比や密度比)まで実機を再現できる能力を有しています。ここまで実機状態を正確に模擬できる設備は世界的にも類を見ません。

設備諸元
主流空気流量 最大 20 kg/s
主流入口全圧 700 kPa-abs
主流入口全温 480°C
膨張比 最大 3.3
電動機動力 6MW
回転数 最大 15000rpm
供試部サイズ 最大流路外径 850mm

回転タービン試験設備 詳細