宇宙航空研究開発機構

実験用ヘリコプター、後流計測試験に参加@大樹

2014年10月21日から31日にかけて、実験用ヘリコプター(BK117C-2)が大樹航空宇宙実験場で、ヘリコプターの後流を計測する試験に参加しました。


後流とは、航空機の後方に生まれる空気の流れのことです。後ろを飛ぶ航空機の飛行に影響を与えることがあります。特にヘリコプターでは回転するローターから空気を下に吹き下ろしながら飛行しているため、後流は固定翼機より複雑に動きます。過去にはヘリコプターの後方を飛んでいた小型機が墜落したという事例も発生しています。
航空機が安全に飛行するためには、ヘリコプターの後流がどのように動き、どのように拡散していくのか、そのメカニズムを解析することが重要です。


今回の計測試験では、実験場内にライダー(LIDAR)と呼ばれるレーザー光を使った風速計測装置2台と超音波を使って風速を測る超音波風速計4台を設置しました。
写真の手前に見えるのは超音波風速計で、奥に見える白い機器がライダーです。


ライダーは成田空港周辺で実施した後方乱気流の計測試験でも使用しました。


4台の超音波風速計は、機体の近くに設置して、高さごとの風速を計測しました。
機体の向きを変えてホバリングし,機体の前方,側方,後方での後流を計測しました。


風の吹いている状態や、風の吹いていない状態など、いくつかの条件のもとで、試験を行いました。
煙を発生させると,滑走路上を低空で飛行している時の後流を目で見えるようになります。



この計測試験で得られたデータを詳細に解析し、例えばヘリコプターの安全な離着陸間隔の検討などに活用していきます。

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