2006年も終わりに近付いています。
MuPAL-αは連日、ハンガーでのエミュレーションが行なわれていますが、α、ε、クイーンエアの3機とも今年のフライトはもうありません。
そんななか、今日はMuPAL-εの地上試運転が行なわれました。この地上試運転、エンジンをかけてメインロータを回転させる作業で、研究所ではロータランと呼ぶこともあります。これは地上で行ないます。フライトのように空中に浮揚することはありません。
トーイングカーに引かれてMuPAL-εが外へ出てきました。
パイロットも乗り込み、いよいよロータが回り始めます。
フライトではなく地上でのロータ回転とはいっても、周囲には強い風が吹き付けます。
機体の後ろにハンガーが写っていますが、ハンガーの扉が閉じられているのもそのためです。
フライトするわけでもないのにロータを回す、というのは不思議に思われるかもしれません。
予定変更でフライトが延期されたり休暇期間に入ったりして、フライトとフライトの間が空くような場合、そのままではエンジンやロータなどを長い間止めておくことになります。
そのような場合に、この地上試運転を行ないます。
地上試運転の目的は、防錆もありますが、フライトしなくても定期的にエンジンやロータを回して動かせて、機体の状態を正常に保っておくことです(長い間動かさずにおいておくのは、航空機にかぎらず何であっても良いことではありません)。また同時に、計器類が正しく動くかどうかといった機能確認も行ないます。
もし機体のどこかが故障していても、地上試運転を行なったときに発見することができます。いざ飛ぼうとしたときに気付くよりも、早く対処することができるのです。
今回の地上試運転は年末年始の休暇期間に対応して行われたものです。
MuPAL-εの今年の出番はこれで終了です。
ロータランを終え、ハンガーに戻ったε。
向こうにはαもいます。
クイーンエアがいない分、ハンガーも少し淋しい感じがします。
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