宇宙航空研究開発機構

クイーンエア お別れ...

クイーンエアとお別れした10月26日。
名残惜しかったですが、クイーンエアの最終フライトを、やってきた日までさかのぼって詳しく追いました。


しばらくクイーンエア退役後の行き先がはっきりしていませんでしたが、日本航空専門学校の能登空港キャンパスに展示されることが決まりました。
この日は、能登空港に向けて、クイーンエアの最終フライトです。


格納庫に4機がそろうのもこの日が最後です。

いつものように入念な点検が行われています。


古巣の格納庫を後にします。


何日か雨が続いていましたが、この日は晴れました。


クイーンエアは1962年8月にアメリカ・カンザス州ウィチタ市のビーチ・エアクラフト・コーポレーションで製造されました。


9/15、ビーチ社からウィチタ空港(航行時間25分)へ空輸し、客室内に増槽燃料タンクを取り付け、
    (A)ウィチタ空港
9/17、ウィチタからオークランド(9時間50分)
    (B)オークランド
9/20、オークランドからホノルル(13時間20分)
    (C)ホノルル
9/24,25、ホノルルからウェーク(13時間15分)
    (D)ウェーク島
9/26、ウェークから羽田(12時間50分)
    (E)羽田
9/29、羽田から調布(25分)
2週間、50時間あまりかけて、日本へやって来ました。





その後、整備・改造作業を実施して10/23、輸入新規耐空証明検査に合格。
1962年10月30日、NAL(航空技術研究所(当時))に実験機として導入されました。


2003年10月、NALからJAXAに組織統合された後も、各種実験や観測に引き続き使用されてきました。


機体記号は、JA5111です。

この登録記号の5000番台はピストン双発飛行機です。
現在は空いている番号を希望できますが、当時は登録順で割り振られました。
ただ、登録時に縁起の悪い数字が割り振られた場合は変更可能だったようです。
そのためいくつか欠番があり、JA5111はピストン双発飛行機の111番目の登録ではなく、98番目とのことです。


実験の時は機材が搭載されるので、2席しかありませんが、この日の客席は、5席つきました。


準備ができました。
出発です。


北風だったので、R/W35で離陸しました。
調布飛行場ともお別れです。


主輪が少しはみ出ています。

これはクイーンエアの仕様です。
万が一の胴体着陸時のダメージを軽減する目的で、こうなっているとのことです。


111026m.jpg半分くらいの燃料を入れて、飛んでいきました。



111026n.jpg能登半島が見えてきました。


能登空港に到着しました。


新しい格納庫です。



総飛行時間 5467時間30分
総飛行回数 3494回

49年間ありがとう。おつかれさま。

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