宇宙航空研究開発機構

2007年5月29日アーカイブ

JAXA宇宙科学研究本部が、岩手県大船渡市三陸町で実施する大気球の放球に伴い、総合技術研究本部のMuPAL-εは実験が完了して上空で切り離された気球と観測器の落下位置を確認し、捜索船、回収船及び大気球観測所本部へ状況を伝える作業を行いました。

大気球観測所に着陸のための最終進入。
正面に見えるのが大気球観測所で、現地の研究者が総出で迎えてくれました。


5/29にMuPAL-εは調布を出発し、仙台経由で場外離着陸場である三陸町吉浜の大気球観測所へ到着しました。

MuPAL-ε 三陸へ出発

午前中、MuPAL-α と一緒にGPS評価実験で飛んでいたMuPAL-ε。休む間もなく、再びフライトです。
今度は実験フライトではなく、岩手県三陸までの出張フライト(回航)です。

燃料はすでに補給済み。機体をチェックして、出発に備えます。



離陸を待っている間に、新中央航空さんのドルニエが降りてきました。


14:00に調布飛行場を離陸、途中、仙台空港で燃料を補給して、17:00に観測所に到着しました。MuPAL-ε はこれから6月4日まで、三陸にある大気球観測所で、実験支援にあたります。

この実験用航空機レポートにMuPAL-α の登場回数が比較的少ないのには、いくつか理由があるのですが(編集長の好みとか)、そのひとつに見栄えのする写真を撮りにくいという事情があります。MuPAL-αは19人乗りの小型旅客機を改造した機体なので、客室から操縦室が見えにくく、窓が小さくて外も良く見えません。

そうは言っても、5月は8回もフライトしたので、レポートすることにしました。パイロット訓練が1回、制御実験が3回、そして今回のMicro-GAIA(マイクロガイア)飛行評価が4回です。
Micro-GAIAとは、超小型GPS補強型慣性航法装置(GPS Aided Inertial Avionics)の略称です。カメラの手ブレ補正やゲームのコントローラに使われる超小型の半導体ジャイロスコープとGPSを組み合わせて、機体の位置や姿勢を計測する装置です。従来の装置に比べて小型軽量かつ低コストなのが特徴です。

Micro-GAIA(マイクロガイア)。小さくても立派な電子機器です。

MuPAL-ε の本日のフライトは、機体に搭載されているGPS受信機の精度評価試験です。

GPSは既に航空機でも広く使われています。とりわけヘリコプタでは、捜索、報道等のミッションでパイロットが不慣れな場所を飛び回る機会も多く、カーナビと同じように自分の位置を瞬時に知ることができるGPSはもはや必需品とも言えます。

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