宇宙航空研究開発機構

2007年8月21日アーカイブ

非精密進入と精密進入

2007年7月5日の実験用航空機レポートで計器飛行方式(IFR)と有視界飛行方式(VFR)についてご説明しました。今回は非精密進入と精密進入についてご紹介します。
両者とも、IFRによって空港やヘリポートに着陸する際に航空機を誘導する方式ですが、非精密進入は左右方向のみ誘導を行うのに対し、精密進入は上下(高度)方向の誘導も行います。精密進入の方が、雲が低かったり、視程が悪い条件でも着陸することが可能になるため、就航率が向上します。 非精密進入は、地上に設置されている無線標識(VOR等)を使って行いますが、精密進入を行うためには、これに加えて空港に計器着陸システム(ILS)等の設備を設置する必要があります。風向きに依らずに精密進入を行うためには、ILSを滑走路の両側に設置する必要があり、また複数の滑走路がある空港では、滑走路ごとに設置する必要があります。


ILSの例です。左右方向、上下方向の誘導を行うシステムをそれぞれローカライザ(LLZ)、グライドスロープ(GS)と呼びます。LLZは滑走路の延長線上に、GSは滑走路の脇に設置します。航空機はそれぞれのアンテナから送信される電波によって誘導されます。電波の障害にならないよう、アンテナの前方には広いスペースを確保する必要があります(黄色い斜線のエリア)。この写真は2000年に神奈川県の横須賀沖に設置されたメガフロート(超大型浮体式構造物)空港のILSの評価試験を行った際のものです(今回の試験とは直接関係ありません)。


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