宇宙航空研究開発機構

実験用ヘリコプターで「きずな」地球局の輸送を検証

JAXAは、11月29日に群馬県で行われた災害派遣医療チーム(DMAT)の訓練に参加し、実験用ヘリコプターBK117C-2による超高速インターネット衛星「きずな」の地球局の輸送を行いました。


大規模災害などによって地上の通信インフラが途絶し連絡手段が限られてしまうと、災害救助・救援や安否確認などが困難になってしまいます。JAXA第一衛星利用ミッション本部では、超高速インターネット衛星「きずな」をはじめとする通信衛星の防災利用を実証する実験を実施しており、これまでも東日本大震災や様々な防災訓練で通信環境を提供してきました。
実験のなかで「きずな」の通信環境を構築するための超小型可搬地球局(直径45cm)やネットワーク機材の輸送が課題として挙がっており、今回、DMAT関東ブロック訓練において、「きずな」地球局を迅速にヘリコプターで空輸する検証を航空本部の実験用ヘリコプターで行いました。


「きずな」地球局を積み込む際には、実験用ヘリコプター後部のシートやラックを外します。積み込みにかかる時間も、重要な検証ポイントのひとつです。訓練実施前には、災害時に実際に活動するDMAT隊員がJAXA飛行場分室に来訪され、JAXA職員と地球局積み込みの事前確認を行いました。



訓練当日(11月29日)、実験用ヘリコプターが調布飛行場を離陸して、地球局とDMAT隊員が待つ立川へ向かいます。



DMAT事務局のある災害医療センター(東京都立川市)に隣接する、陸上自衛隊立川駐屯地へ着陸。DMAT隊員と共に地球局を1台積み込みます。
積み込み後、DMAT隊員も実験用ヘリコプターに搭乗して、陸上自衛隊相馬原駐屯地へ向かいます。





陸上自衛隊相馬原駐屯地に到着後、すぐにDMAT隊員の手で地球局を設置。「きずな」を活用してインターネット環境が確立され、災害時の医療活動で使用される「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」や、航空本部が研究開発を進めている「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」の運用を行いました。


なお、この訓練よりも前、11月5日には筑波宇宙センターへの離着陸訓練も実施しています。
筑波宇宙センター内に臨時のヘリポートを設置し、有事の際の「きずな」地球局輸送等のためにヘリコプターが離着陸可能かを検証しました。




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