FQUROH(フクロウ)
プロジェクトとは

FQUROHプロジェクトでは、旅客機の機体騒音の主な音源である翼(高揚力装置)や車輪(降着装置)それぞれに対する低騒音化技術を実機に適用し、飛行試験による実証を通じて実用化に必要な設計技術の獲得を目指しています。
FQUROHとは、Flight Demonstration of Quiet Technology to Reduce Noise from High-lift Configurations(高揚力形態における騒音低減技術の飛行実証)の略であり、静かに飛ぶ鳥であるフクロウに由来して命名されています。
背景

離着陸回数の増加
世界の航空旅客輸送量は今後20年間で約2倍に増加し、それに伴い旅客機の騒音も約2倍になると予測されています。

騒音の原因
着陸時には、エンジン騒音よりも機体から生じる騒音の影響が大きく、これらの音を低減することが必要不可欠です。

地域との共生
旅客機の低騒音化が生活環境を守ることにつながります。
プロジェクトの目標
騒音の軽減と乗客の利便性の両立
海外メーカーと協力して機体騒音低減技術の社会実装をめざすことで、空港周辺における騒音の軽減と乗客の利便性の両立を実現します。
プロジェクトの成果を用いて、海外メーカーが既存機の機体騒音を低減する改良パッケージの提供を目標としています。
国内メーカーの国際競争力向上
日本国内のメーカーと協力して新たな知的財産を創出し、製品の付加価値を高めることで、国内メーカーの国際競争力向上による事業の拡大につながります。
将来的に海外メーカーまたは国内メーカーが、機体騒音低減技術を設計に反映させた新型機の製造を開始することを目標としています。
プロジェクトの歴史
- 2005
- 機体騒音の基礎研究を開始
- 2015
- 低騒音化技術の実用化を目指し、JAXA実験用航空機「飛翔」次いで90席クラスリージョナルジェット機を実証機に想定してFQUROHプロジェクトを開始
- 2016
- 石川県のと里山空港で「飛翔」を用いた予備飛行実証試験に成功
- 2017
- 「飛翔」を用いた飛行実証試験を成功
- 2021
- 200~400人乗りの中型旅客機をターゲットとした連携体制を構築
- 2024
- FQUROH-2プロジェクト開始