エコウィング技術

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2014年12月22日

車の上にクルーガーフラップを取り付けて効果を確認

クルーガーフラップの模型を搭載した車両

JAXAでは、航空機の燃費を良くするため、翼の摩擦抵抗を低減するための研究を行っています。
摩擦抵抗を低減するためには、翼表面上の流れを層流※1と呼ばれる状態に保つ自然層流設計が有効なことが知られています。しかし、現在運航されている航空機では離着陸の際に翼前縁に虫が付着するため、層流状態に保つ効果が失われてしまう懸念があります。これまでの実験で、クルーガーフラップ※2を翼の前縁部に張り出すと、虫などの付着防止に効果があることが確認されています。
2014年10月に実施した実験では、断面形状の異なるクルーガーフラップを左右に並べて配置した模型を製作し、自動車の上部に装着した状態で走行させました。その結果、クルーガーフラップの断面形状や取り付けられる主翼との位置関係によって、虫などの付着を防止する効果に違いがあることが確認できました。
この実験成果は、摩擦抵抗を低減するために翼前縁を滑らかに保つ技術の開発へと繋げていきます。

※1:翼の表面を、規則正しく滑らかに流れる状態を指す。
※2:翼の揚力を得るための前緑フラップ装置で、巡航時には翼の下面に収納されており、低速領域で揚力が必要となる着陸時に翼前方に展開される。