Wind tunnel facilities
風洞設備

JAXAは、航空機・宇宙機の空力特性を実験的に調べるための試験設備である大型風洞群を保有し、JAXA内外の航空機・宇宙機開発に試験データを提供しています。

航空機や宇宙機が空気中で飛行する際の空気力学的な性質(空力特性)やその周りの空気の流れの現象を調べるため、実際の機体を模擬した模型を設置し、そこに人工的に空気を流して、空を飛ぶ航空機や宇宙機の周りの流れを模擬することにより、空気力や圧力分布を計測したり、機体周りの流れの様子などを調べるための試験設備です。
JAXAでは、低速から極超音速までさまざまな幅広い速度域の試験、大気圏再突入時の特殊な気流条件での試験に対応できるように、各種の風洞を整備しています。これらは日本では最大の風洞群です。

6.5m×5.5m低速風洞

航空機の離着陸時や低速飛行条件で、揚力や抵抗などの空気力計測や、空気の流れの様子を調べるために用いられます。測定部断面が高さ6.5m、幅5.5mあり、航空機用としてはわが国最大の風洞です。

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2m×2m低速風洞

測定部断面が2m×2mの連続循環式風洞です。気流乱れが比較的小さく、測定部も扱いやすい大きさであるため、基礎的な空気力学的研究から空力騒音、フラッタ試験などの風洞試験が行われてきました。

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2m×2m遷音速風洞

測定部断面が2m×2mあり、マッハ数0.1~1.4の試験が長時間連続して行える国内最大の設備です。マッハ数1前後の遷音速の速さで巡行する航空機の空力特性の把握に用いられます。

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1m×1m超音速風洞

1m×1mの測定部を持ち、超音速であるマッハ数1.4~4.0までの飛行状態を模擬できる国内有数の大型風洞です。主に飛行体に加わる空気力や圧力の計測、流れの可視化計測等の試験を行っています。

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0.5m/1.27m極超音速風洞

空気加熱器を持つ高圧吹き出し/真空吸い込み式の間欠極超音速風洞で、ノズル出口径が0.5mと1.27mの2つの測定室を切り替えて使用します。極超音速機や宇宙往還機の空力設計の最適化に貢献します。

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750kWアーク加熱風洞

アーク放電で気体にエネルギーを供給し、高エンタルピーの気流を生成します。大気圏再突入の状態を模擬した試験が可能で、宇宙往還機の熱防護材の研究開発などに活用されています。

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110kW誘導プラズマ加熱風洞

高周波電流により石英ガラストーチ内に高周波誘導電界を誘起して電子を振動させ、ジュール加熱で気流を高温プラズマ化します。高エンタルピーの気流を長時間維持でき、大気圏再突入の状態を模擬した試験などに使われます。

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0.8m×0.45m高レイノルズ数遷音速風洞

測定部が高さ0.8m×幅0.45mの吹き出し式遷音速風洞です。高亜音速ジェット輸送機の翼型の空力性能試験など、レイノルズ数の高い流れを用いたさまざまな試験を行えます。

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0.44m極超音速衝撃風洞

衝撃波管の原理を応用した衝撃風洞です。ノズル出口経0.44mのノズルを設けて真空タンク内に極超音速気流を作り出します。研究主体の風洞で、空力加熱計測、供試体周りの流れの可視化などが可能です。

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0.6m×0.6m遷音速フラッタ風洞

航空機の遷音速領域のフラッタ現象の解明、高精度な解析ツール開発、及び関連技術の研究に不可欠な研究設備として運用され、安全な航空宇宙機の設計開発に貢献しています。

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0.65m×0.55m小型低乱風洞

気流の速度変動を低く抑え、従来は精密流体計測が必要だった境界層遷移等の研究に使用されてきました。近年は無人航空機、自動車模型等の空力試験、先進流体計測技術の開発などにも利用されています。

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0.6m×0.6m磁力支持風洞

模型を磁気力により非接触で支持するため、通常の風洞設備のように支持装置と気流の干渉が発生しません。そのため、さまざまな形状の模型の抵抗係数や後流の計測が理想的な状態で行えます。

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低温風洞

風洞内の窒素ガスの温度を下げて、圧力を高めることでレイノルズ数の大きな流れを得るのが低温風洞です。高レイノルズ数試験技術に関する実験や低温環境流れ場を利用した試験を行います。

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煙風洞

高さ0.4m×幅0.3mの測定部を持つ吸い込み式の風洞です。模型周りの気流の流れを煙で可視化して、流れ場を目視で観察することができます。

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複合荷重式自動天秤較正装置

風洞試験において空気力を測定するための内挿天秤を較正する装置です。自動的に空気力の3方向の力と3つのモーメントを組み合わせて天秤に付加できるため、短時間で精密な較正を実現します。

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