装備品産業拡大に立ちはだかる障壁をオールジャパンで乗り越えたい~第1回航空機装備品認証技術オープンフォーラム開催レポート~

会場の様子

2019年3月14日、第1回航空機装備品認証技術オープンフォーラムが、一橋大学一橋講堂(東京都千代田区)で開催されました。JAXAも中核メンバーとして関わっている、航空機装備品ソフトウェア認証技術イニシアティブ(以下、イニシアティブ)が主催するこのオープンフォーラムは、航空機装備品に関連するソフトウェアの認証取得についての知見やツールの共有などを通じ、日本の航空機産業の国際競争力を高めることを目的としています。当日は、関係省庁、機体製造メーカー、装備品製造メーカー、イニシアティブ会員がスピーカーとなり、航空機装備品に関する現状や動向などを紹介しました。講演は認証の取得に関わる実務的な内容が中心であり、参加者は終始、熱心に聞き入っていました。

※当日のプログラムはこちらからご覧いただけます。


会場の様子(渡辺重哉ハブ長)

渡辺重哉ハブ長

冒頭、JAXA航空技術部門次世代航空イノベーションハブの渡辺重哉ハブ長は、イニシアティブ幹事会の立場で開会挨拶を行い、「世界の航空機関連市場を機体、エンジン、装備品の3つに大別すると、装備品が3分の1以上を占めています。一方で日本の航空機産業の売り上げの割合は、機体、エンジンに比べて装備品が相当少なく、装備品市場は今後の拡大を期待したい分野となっています。その装備品産業の拡大における非常に大きな障壁の一つがソフトウェア認証です」と状況を説明した上で、「一企業の力で最初から最後までやり通すのは非常に困難であり、産学官連携のオールジャパンの枠組みで取り組んでいきたい」と述べました。また、2018年4月にスタートしたイニシアティブのメンバーは現在28企業・機関となり、「航空機装備品のソフトウェア認証に関する現状や課題をご理解いただき、今後の方向性を考えるきっかけを作りたい」と呼びかけました。

会場の様子(伊藤健ハブマネージャ)

伊藤健ハブマネージャ

「航空機装備品ソフトウェア認証技術イニシアティブ設立の背景と意義」と題して登壇したJAXA航空技術部門次世代航空イノベーションハブの伊藤健ハブマネージャは、イニシアティブにおけるJAXAの役割の一つとして、「JAXAは装備品に関してアビオニクスのプロトタイプの開発を行います。その過程で得られた、認証取得に必要となる文書のテンプレートや、再利用可能なライブラリ、アーキテクチャを共通基盤として広く日本の装備品開発の現場に展開していきます」と語り、この取り組みを通じて、日本全体の装備品認証技術を底上げし、課題解決につなげていきたいとの考えを示しました。

講演資料

PDFマークのあるリンクは講演資料データをご覧いただけます。(以下、敬称略)


2019年3月27日更新