次世代運航システム(DREAMS)研究開発 平成24年度公募型研究の実施について
JAXA航空プログラムグループでは、日本の航空分野の研究開発を一層促進するため公募型研究を実施します。
公募の目的
今後日本の航空分野の研究開発が国際的優位性を持ち、次世代技術を獲得するためには、航空分野の研究開発に関して高い知見を持つ人材を育成し、また産学連携のさらなる拡充を図る必要があります。
上記を達成する一環として、日本の航空分野の技術成果と知的リソースの充実を目指して、公募型研究を実施します。
今年度の対象分野
JAXAが実施するDREAMSプロジェクトで開発を行う次世代運航システムに関する技術研究が対象となります。
募集締切
平成24年5月28日(月)必着
※募集を締め切りました
審査結果はこちらです。
募集テーマ
「次世代運航システム(DREAMS)の研究開発」に関連するものであって、本研究開発の目的に沿い、目標の達成に資する研究テーマとします。研究テーマの具体例を以下の表に示しますが、これら以外の「技術研究の内容」に広く関係するテーマであれば、APPENDIXに示すDREAMSプロジェクトが連携する国土交通省航空局CARATASのロードマップ、学の役割に関係するテーマでの応募も可能です。「次世代運航システム(DREAMS)の研究開発」の研究開発の目標やその背景などの詳細は以下の参照文書をご参照ください。
次世代運航システム(DREAMS)研究開発 平成24年度公募型研究参照文書(PDF形式 2.0MB)
※研究期間は最長で平成24年度~平成26年度までとなります。
※JAXAが契約相手方に支払う金額の上限は、1課題あたり年間200万円です。
※採択審査はJAXA において行います。
※各年度に成果報告書を作成するとともに、JAXAが別途指定する成果報告会でその成果を発表するものとします。
※事業内容の見直しにより計画内容に変更がある場合があります。
公募する研究テーマ(例)
No. | 研究テーマ | 研究目的 | 研究 期間 |
研究形態 | 関連する技術研究 ※数字は参照文書の番号 |
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1 | 気象情報の誤差を考慮した4D軌道予測の研究 | 我が国の航空交通システムの長期ビジョンCARATSでは、全飛行区間における時間管理を導入した軌道ベースの運用を目指しており、その実現には、大きな不確実要素である気象の影響を考慮した軌道予測が必要とされている。本研究では、本質的に不確かさを有する気象予測情報を用いた旅客機の軌道予測の研究を行う。具体的には、軌道予測に影響を及ぼす気象現象を選定した上で、その予測情報の不確かさをモデル化し、シミュレーション等により気象予測情報の不確かさが軌道予測精度に与える影響を明らかにする。 | 2年 | 委託研究 | 課題1: 気象情報技術 |
2 | 悪天領域のリアルタイム回避に関する研究 | 本研究では、航空機上で入手した気象情報に基づき、航空機が回避すべき悪天領域を抽出し、その回避経路をリアルタイムで算出する手法を研究する。航空機の飛行特性、飛行目的、気象情報の不確かさ、管制上の制約等を考慮した悪天領域の抽出、回避経路の算出が課題となる。シミュレーションにより、研究の有効性を示す。 | 2年 | 委託研究 | 課題1: 気象情報技術 |
3 | 航空機の騒音伝搬特性の研究 | 衛星航法による曲線進入の実用化により、地上における航空機の騒音暴露を減少する効果が期待されている。このような方式をより効果的に運用するためには、騒音を高精度に予測するモデルの開発が不可欠となる。本研究では、航空機(音源)から地上の受音点の間の騒音伝搬特性について、特に気象条件(風向・風速や高度方向の温度分布等)が与える影響を考慮した計算モデルの開発を行う。 | 2年 | 委託研究/ 共同研究 |
課題2: 低騒音運航技術 |
4 | 機上機器によるGNSS補強方式(ABAS)の研究 | 現在、航法衛星システムとしてはGPS(一周波)が主として利用されているが、今後GALILEO、GLONASS、QZS等が整備されて多周波のマルチGNSSが利用可能となる見込みである。その場合、静止衛星型補強システム(SBAS)や地上型補強システム(GBAS)がなくても、機上機器のみで精密進入が行える可能性があり、信頼性確保のためのアルゴリズム開発、シミュレーションおよび実データを用いた評価を行う。 | 2年~ 3年 |
委託研究/ 共同研究 |
課題3: 高精度衛星航法技術 |
5 | GBASに適した自動操縦アルゴリズムあるいは飛行方法の研究 | GLS(GBASを用いた着陸進入)は、従来のILSに比べて信号の安定性や受信範囲などについて優れているが、現状ではILSを使う場合と同じ自動操縦装置を用いており、有効性が十分に発揮できるとは言えない。そこで、GLSの長所を活かした制御則、経路の設定方法の提案を行う。 | 2年 | 委託研究/ 共同研究 |
課題4: 飛行軌道制御技術 |
6 | コンフリクトフリーの4次元軌道生成に関する研究 | 機体の運動や性能、風などの環境条件を考慮し、機体相互の調整を行って効率の良い軌道を生成する。 時間スケールの分割(例えば飛行計画、リアルタイムでの変更と調整、衝突防止)を考慮したアルゴリズムの検討を行う。 | 2年 | 委託研究 | CARATS EN-1に 関連 |
提出書類
研究提案書(Excel形式)に提案課題・研究代表者・研究概要等を記載してください。(A4で4枚以内)
※応募書類は様式をダウンロードの上、記入例を参考にご記入ください。 ※研究提案内容の理解を助ける目的でパワーポイント形式の補足資料(書式自由:A4で5枚以内)も提出して下さい。
応募条件について
有償の共同研究契約、委託研究契約を締結する場合は、研究代表者の所属機関が次のいずれかの条件に該当する必要があります。
- (1)JAXAと連携包括協定を締結していること。
- (2)前年度までに科学研究費補助金を管理した実績があること。
- (3)省庁統一参加資格を有していること。
- (4)上記(1)~(3)に拠り難い場合は以下の情報に基づき競争資格審査を行います。
- (a)所属機関の沿革、組織図、活動実績、所在地、財務諸表類等の情報
- (b)法人税、消費税、地方消費税について未納税額がないこと
契約手続き等について
- 共同研究契約・委託研究契約はJAXAと研究代表者が常勤している所属機関との間で締結します。
- JAXAが契約相手方に支払う金額・使途の詳細については、契約時までに調整させていただきます。
- 有償の共同研究、委託研究において100万円以上の案件については概算払いとし、JAXAが指定する方法で「額の確定(精算)」をお願いすることになります。(「額の確定(精算)」の詳細は以下のマニュアルを参照してください。)
- 共同研究契約書・委託研究契約書について、原則としてJAXA書式を使用します。
- 複数年の研究提案であっても、原則として契約は年度ごとになります。また研究の進捗状況等により、次年度の契約を締結しない場合もあります。
- 採択結果については、7月上旬までに研究代表者にお伝えします。またJAXAのHPにも結果を掲載します。
- 有償の共同研究契約については、契約終了後速やかにJAXAと連名で共同研究報告書を作成します。無償の共同研究については、研究終了時にJAXAと連名で共同研究報告書を作成します。
- 委託研究契約ついては、契約終了後速やかに委託研究報告書を提出してください。
- 年度ごとにJAXAにおいて開催する公募型研究成果報告会に、研究の進捗状況報告をしていただくために研究代表者または関係者の方に 出席していただきます。
- 知的財産権の取り扱いについて
共同研究については、単独で得られた知的財産権に関しては単独所有、共同で得られた知的財産権に関しては共有で所有します。(持ち分は貢献度に応じます。) 委託研究についての知的財産権は、原則としてJAXAに帰属します。
有償共同研究の事務処理について
支出を伴う共同研究契約に係る事務処理について(外部用)(PDF: 246KB)
委託契約の事務処理について
委託契約に係る事務処理について(外部用)(PDF: 260KB)
応募書類提出先
研究提案書(A4で4枚以内)およびパワーポイント形式の補足資料(書式自由:A4で5枚以内)を電子メールに添付してご提出ください。
※なお、応募に当たっては所属機関の担当部署の了解を得た上で行ってください。
応募書類の提出があった時点で所属機関として上記応募条件等を了承していると見なしますのでご注意ください。