低騒音運航技術

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今後航空交通量の増大が見込まれていますが、その結果空港周辺の騒音の影響も懸念されています。2027年ごろには空港周辺の交通量が2005年の1.5倍になるという予測もあり、その場合地上の騒音も増加すると考えられます。
DREAMSでは、交通量が1.5倍になっても騒音の範囲が今より広がらないよう、気象の影響による騒音の拡散を予測することで騒音を低減できる着陸進入経路を導き出し、その経路を航空機に指示できる「低騒音運航技術」を研究開発しました。

低騒音運航技術のコンセプト

騒音予測モデル

風や温度や湿度などの気象条件は、騒音の伝わり方に影響を与えます。騒音を低減する最適な飛行経路を導き出すためには、気象が騒音の伝搬にどのような影響を及ぼすのか予測できることが重要です。
また交通量増大に対応するためには、予測精度だけでなく、計算速度も求められます。JAXAではこのような騒音予測モデルを研究開発しており、気球による模擬騒音源からの騒音を地上で計測するなどによる検証を行いました。

低騒音経路最適化

空港周辺におけるGPS測位の精度を高めるため、GBAS(地上局型衛星補強システム)が空港に導入されつつあります。またGBASを用いて経路情報を放送することが検討されており、精密な曲線進入が可能になります。
騒音予測モデルで気象条件を考慮して予測した騒音に応じて、地上の騒音が広がらない経路を生成し、GBASによる精密な曲線進入を用いて低騒音運航を可能にします。