行ってみたいと思っています。(※理由は本誌『空と宙』でチェック!)
現在、宇宙飛行士を高度400kmの低軌道を周回しているISSまで送るのに、1回で数百億円ものコストがかかっています。コスト低減を目指して再使用型の宇宙往還機の研究を進めており、理想ではありますけれど、一般の人々が出張や旅行で宇宙へ行く世界が実現できればと考えています。
ただ、長年再使用型宇宙往還機の研究に携わる中で、まずは様々なアイデアを検討し、技術を実証するのが大事だと考えるようになりました。アイデアはJAXAだけではなく、大学やベンチャー企業など、色々な人たちから提案してもらうのが良いですね。その一環として、数年前より大学などとの連携を強化させており、今年度、九州工業大学が提案する誘導制御アルゴリズムの基礎的な検証を行うための飛行実験を共同で行う予定です。
私がJAXAにいる今後15年ほどで完全再使用型の往還機を開発するのは難しいと思うのですが、二段式のうちのどちらかは完全再使用型の機体を開発したいと考えています。
二段式有翼型再使用宇宙輸送システムと誘導制御系開発者たち

二段式有翼型再使用宇宙輸送システムと誘導制御系開発者たちの場合

石本

塚本
行ってみたいです。私は、サブオービタル機に乗って高度100kmの宇宙まで弾道飛行する宇宙旅行も面白いと思います。
地球周回軌道まで行かなくても満足できる理由は、誘導制御に携わっていることが大きいかもしれませんね。高度100kmまで弾道飛行する機体が自身をどう誘導制御しているかを体感できるという意味で、弾道飛行の宇宙旅行も面白いと思うんです。もちろん、更に高い場所、ISSが周回している低軌道まで行き、そこでの機体の運動の様子を体感するのも楽しいと思います。
サブオービタル機による宇宙旅行は比較的安く発売されていますが、それでも誰もが気軽に乗るには高すぎる値段です。再使用型宇宙往還は繰り返し使用することによるコスト低減を目指していますが、これを実現するためには開発すべき様々な技術があります。私たちが研究している誘導制御技術もその一つです。
また、同様の技術を再使用型宇宙往還機だけではなく、航空プログラムグループが研究している超音速実験機など、同じように高速、高空を飛行する機体へも適用することを検討しています。