宇宙航空研究開発機構

SAVERH@南紀白浜 4日目 ~滑走路灯が映らない?午後のフライトはキャンセル

朝のブリーフィングが終わってから、昨日のフライトを撮影したビデオ映像を見直しました。



今回のSAVERH飛行実験の目的のひとつに、FLIR(赤外線カメラ)の映像に滑走路灯がどのように映るのかを確かめることがありました。
もし、目視で滑走路灯を見つけるよりも先に、FLIR映像で滑走路灯を見つけることができれば、より遠い場所から滑走路を見つけることができます。たとえば、見通し(視程)が悪く、かなり近付かないと滑走路を見つけられない状況でも、FLIR映像があれば、もっと早い段階で滑走路を見つけられます。滑走路がどこにあるのかを見つける(視認する)ことは、航空機にとってとても重要なことです。


ところが、昨晩のフライトの結果、FLIR映像では滑走路灯を見つけられませんでした。
ビデオ映像を見直してみても、映ってはいませんでした。


SAVERHで使っているFLIRは熱を感知して、その温度差を白黒の濃淡で描きます。
FLIR映像に滑走路灯が映らなかったということは、そもそも滑走路灯が熱を持っていない、熱くないのではないか?という疑問が出てきました。



午前中のフライトが始まる前、駐機場の灯りを囲んで調べました。これも熱くならないのでしょうか....


もし滑走路灯が熱を持たず、FLIRでは感知できないものであるなら、FLIR映像を使った着陸はできません。他の方法を考える必要が出てきました。

本日1回目のフライトが始まりました。




滑走路の両方から進入をして、HDD(Head Down Display)とHMD(Helmet Mounted Display)それぞれに表示される、合成地形表示やFLIR映像の見え方を確認していきます。



滑走路33からの進入。



滑走路15からの進入。赤色の進入灯は、滑走路15側だけにあります。


午前中のフライトのあいだに、どんどん天気が悪くなり、とうとう途中で雨が降り出しました。



コクピットのウィンドシールドにも雨滴が....


今日は2回のフライトを予定していましたが、雨ではフライトはできません。今日の夜の分は明日以降に延期することに決定。


091210g.jpg

フライトができない時間を使って、パイロット評価を行いました。表示の見え方や使いやすさなどを、インタビュー形式でパイロットに訊ね、答えてもらいます。その他、パイロットが感じたことや要望なども書き取っていきます。こうして得られたデータは、システムやプログラムを改良していくうえで、とても重要なものです。

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