宇宙航空研究開発機構

GBT覆域調査・GPS受信状況評価 CAPSTONE@アラスカ

昨日とはうって変わって、今日のアンカレッジ周辺は気持ちよく晴れています。本当なら今日にもディリンガムへ出発したいところですが、どうも明日は雨になりそうなので、おとなしくしていることになりました。

しかしアンカレッジ周辺は晴れているので、アンカレッジ近隣の空域でGPS受信状況評価や、アンカレッジにあるGBT(7/21レポート参照)の覆域調査飛行を実施しました。覆域とはGBTの出す電波を受信することの出来る領域のことです。実際に遠くまで飛行して、どの地点までならGBTの電波を受けることが出来るのかを調べます。携帯電話でいうところの"エリア圏内""エリア圏外"の境界線をを調べるようなものです。


当初、洋上飛行(海の上を飛ぶフライト)を想定していたので、パイロットを含め、全員が救命胴衣を着用しての出発です。実際には海の上は天候がよくなかったので、計画を変更して陸上飛行になりました。

今回の覆域調査では電波の届く境界を探すため、同じようなところをくねくねと行きつ戻りつ、さらに高度を変えながら飛行をしました。ボナンザの後席に搭乗している計測員は、パソコンの画面を見ながらGBTの電波が途切れたかどうかを判断し、パイロットにGBTの受信限界点を知らせます。その通報があるとパイロットは機体の向きを反転させ、同じ受信限界点を反対向きに通過する、という飛行を繰り返し行います。
パソコンの画面を見ながらこのようなくねくねと蛇行して飛ばれると、ひとたまりもありません。飛行機酔いです。計測員は真っ青な顔をしながらもGBTの受信限界点を通報し続けました。


途中、人里離れた川岸に、ロッジが点在しているところを見つけました。どう見ても周りに道路はありません。Patrickさんに聞いてみると、やはり水上機などで直接乗り付けているのだそうです。

そしてそのようなときに限って飛行時間は長くなるものです。今回に限って、満タンの燃料タンクがほとんど空になるまで飛行が続けられました。

飛行番号:FLT34
飛行時間:14:10-17:30 (3+20)
飛行空域:Merrill Field Airport



そんな状態で実験を続けていた計測員に対してPatrickさんが、「アラスカではタフな飛行機乗りの事をブッシュパイロットと言うが、おまえもその名に値する!ブッシュパッセンジャー(乗客)だ!」と絶賛していたのが妙に印象的でした。

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