宇宙航空研究開発機構

MuPAL-ε@大樹町

気球に騒音計測用のマイクロフォンとデータ記録装置を取り付けた様子大樹町での飛行試験のまず始めは、気球を使った騒音計測試験です。

2つの気球の近くをMuPAL-εが飛行ヘリコプタの騒音は、エンジン、ギヤボックス、メイン・ロータ、テイル・ロータ等から発生する様々な音が混ざったものです。ヘリコプタが発生する音の特性を音源特性と呼びます。また、ヘリコプタの騒音が地上にいる人に聞こえるまでには、大気中で減衰したり、屈折したりして変化します。騒音が大気中を伝わる特性を伝搬特性と呼びます。伝搬特性はその日の気象条件によっても大きく異なります。またこの他にも、騒音は地面や周辺の建物等によって反射・吸収される性質を持っています。我々が普段聞いている航空機の騒音はこのような様々な影響を受けて変化しています。

機内から見た様子一般に、航空機の騒音は地上にマイクを設置して計測しますが、そのような方法だと音源特性、大気伝搬特性、地面による反射・吸収の影響等が重なって観測されるため、それらの影響を個別に明らかにすることができません。特に地面付近は上空とは空気の流れが異なる(地面境界層と呼ばれています)ため、騒音の伝わり方も複雑になります。気球を用いて高高度(約200m)で騒音を計測することにより、これらの影響を受けることなくヘリコプタの音源特性を正確に計測することが可能になるとともに、2つの気球で計測したデータを比較することによって、大気伝搬特性も高精度に計測することも可能になります。

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