奥多摩消防ヘリポートをご存じでしょうか。東京消防庁が管理するヘリポートで、JR奥多摩線の終点である奥多摩駅の北の山稜に位置し、救急患者の搬送などに使われています。救難・捜索のためのシステムを開発するというSAVERHにはうってつけのヘリポートということで、東京消防庁さんにお願いして実験に使わせていただくことにしました。しかし、使わせてもらっておいて何ですが、このヘリポート、なかなかすごいところにあります(だからこそ使わせてもらったのですが)。
奥多摩消防ヘリポート
ヘリポートの西が山の斜面になっており、さらに北にも南にも東にも山が連なっているので、普通の飛行機のように長い直線で降下してゆくことはできません。そこで、こんな経路を設定して、
トンネル表示を使って着陸進入を行ってみました。HDDに表示したときには赤外線カメラの映像もかさねて表示しました。
さて、実験の結果はどうだったでしょうか。
HMDを通して見た外の景色(飛行後に合成)
なんとかヘリポートまでの進入はできましたが、問題は山積みです。上の図でも分かるように、CGと実際の山の稜線が一致していないとか、表示のシンボルがヘリポートに重なって見えないとか、設定した経路の旋回半径が狭すぎるとか、多くの課題が明らかになりました。稜線が一致しないのは、ディスプレイの画角の計算値が問題なのか、データベースの精度なのか、それとも他の理由なのか、原因の特定に時間がかかりそうです。
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