宇宙航空研究開発機構

SAVERH 目標を捕捉しました

軍用機の分野では、HMDは攻撃目標を補足するために使われることがありました。ディスプレイ上に照準を描き、合わせた目標の向きにミサイルなどを連動させるわけです。この技術は例えば遭難者を上空から見つける用途にも適用できます。SAVERHでは島津製作所が海上自衛隊の捜索救難任務向けに開発した技術をベースに、遭難者をHMDで見つけてその座標を記録する技術を開発しています。どうやるかというと。

上高地での地上目標捕捉実験まずパイロットが頭を動かして、HMD上に表示されるLOS(Line of Sight)マーカ(+)を地上の目標にあわせます。
ここでボタンを押すとその時点でのマーカの視線方向と三次元地形データベスから読み取った地表面との交点が計算され、記録されます。記録されたマーカ位置は地図上にも表示されます。
10月28日の飛行では、初めてこの機能を試してみました。

松本球場にマーカを設定した際の誤差このようにダムや中野温泉などは複雑な地形であるにも関わらず、正確に位置を特定できました。一方で、松本球場はピッチャーマウンドを狙ったのですが、バックスクリーンのあたりにマーカが記録されてしまいました。何が誤差の原因なのかこれから解析して改善する必要があります。

パイロットが見ているHMDの映像(本当はもっと広い範囲に表示がある)
ところで、左の図では、HMDの表示と外の景色が一緒に見えている映像がありますが、これは、09/02のように後から合成したものではなく、実際にパイロットが見ている映像を記録したもので、おそらく世界初公開です。次回はもう少し大きく綺麗な映像が撮れるといいのですが。


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