JAXA航空技術部門の基盤領域は、航空機を支える伝統的な技術分野である「空力技術研究」「飛行技術研究」「推進技術研究」「構造・複合材技術研究」「数値解析技術研究」の5つのユニットにより構成されています。
役割としては、解析・評価・試験技術といった研究開発全体を支える基礎的・基盤的技術の研究と、試験を行うための風洞や実験用航空機の運用があり、これら大型設備とスーパーコンピュータを活用しながら試験研究を進め、航空技術を高めることが基盤領域の基本目標です。
第4期中長期計画の中で新たに取り組んでいる注目すべき研究として、スーパーコンピュータと大型風洞などを使った統合シミュレーション技術「多分野統合基盤システム(ISSAC)」が挙げられます。これは高度10,000mを飛行する航空機の離陸から着陸に至るあらゆる条件下での安全と効率を検証するもので、3年目を迎えいよいよ成果が出始めている研究の一つ。特に滑走路にたまった雨水が飛行機の離発着に与える影響を予測するシミュレーション「滑走路の水跳ね予測技術」については、この1〜2年で実験結果の検証が進み、安全性にかかる定量的評価ができるようになった点で大きく進展しました。