宇宙航空研究開発機構

MuPAL-α オートパイロット機能確認フライト


昨年来、ハンガーではMuPAL-αのエミュレーションが行なわれていました(平成18年12月22日実験用航空機レポート参照)。いよいよ今日は実機での実験フライトです。エミュレーションで合わせ込んだMuPAL-αのオートパイロット機能を、実際に空で確かめるフライトです。


出発前の調布飛行場。
MuPAL-αと、新中央航空のドルニエとが2機並んで背中を向けています。


実験を行なう伊勢崎上空に向かう途中、東北新幹線の線路上空を横切りました。
写真中央、直線状にのびているのが線路です。

実験空域に到着、実験が始まりました。
研究員がコンピュータを通して、高度、方位、速度などのコマンド(指示)をMuPAL-αに対して出します。
コマンドを受けとったMuPAL-αは、オートパイロットの機能を使って、指示された状態を目指して機体の舵角やエンジンのパワーを変え始めます。
そのまま目標の状態にまでなれるかどうか、パイロットも後席の研究員ともども見守っています。

地上でのエミュレーションは、空気力による負荷が舵面にかからず、エンジンや機体の動作も模擬的な計算モデルに基づいているため、実際のフライトを完全に再現できるわけではありません。また、コンピュータのなかで擬似的に風を吹かせることはできますが、やはり実際とは違います。実際のフライトでは、エミュレーションでは再現できていないこれらの要素が入ってきても、オートパイロットが望ましい性能を発揮できるかを確認します。

エミュレーションでは、何らかの理由で機体の運動が乱されてしまっても、オートパイロット機能が働いて目標の状態に戻れるかどうかを調べるために、実験員が操縦席に座って操縦桿をわざと動かしていました。今日のフライトでも、パイロットが同様の操作を行って、オートパイロットの性能をチェックしました。結果は概ね良好でしたが、一部の実験ケースでは運動の乱れの収まりが悪いこともありました。


今度は利根川が。そろそろ帰ります。

途中、上昇と降下を繰り返したせいで気分が悪くなりました...が、予定していた実験ケースはすべて実施することができました。


実験を終え、調布飛行場に戻ってきたMuPAL-α。
給油してもらっています。

この日のフライト空域は北関東上空、風は穏やかで実験日和でした。調布飛行場を10:35に離陸、12:30に着陸、約2時間のフライトとなりました。

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