宇宙航空研究開発機構

MuPAL-ε@仙台空港

MuPAL-εは、今日から仙台空港で飛行試験を実施します。


■本日のフライト
9:45-12:00(2+15)、14:50-16:45(1+55)



仙台空港は、滑走路を2本持ち、国内線・国際線の定期便の他、航空大学校、海上保安庁の航空機も飛んでいる、非常に忙しい空港です。それら航空機の合間をかいくぐって、MuPAL-εが飛行しました。

今回の試験は、後方乱気流に関連する研究のためのものです。

後方乱気流とは、航空機が飛行した後に発生する乱気流のことです。特に大型旅客機が飛行した後には強い乱気流が発生し、その中を後続の小さい飛行機が通過すると機体が大きく揺れ、時には墜落するほどの影響を受けることがあります。

後方乱気流の影響による事故を防ぐため、航空機が続けて着陸あるいは離陸する場合には、十分安全な時間間隔を保つことが決められています。このため、混雑する空港では、離着陸の回数が制限され、特に大型機が頻繁に離着陸している空港では、その合間を縫って小型機が飛行することは困難なのが実情です。

JAXAでは、後方乱気流に対する安全性の向上と、空港の離着陸容量の拡大を目指して、後方乱気流が航空機に及ぼす影響に関する研究を進めています。後方乱気流の位置や強さが時々刻々変化していく様子を数値シミュレーションによって正確に推定する技術を確立することが本研究の目的の一つですが、今回の飛行試験ではそのために必要な周辺の大気条件の観測を行う予定です。

また、今回の試験は、電子航法研究所、東北大学、情報通信研究機構との協力によって実施しています。旅客機の後方乱気流はドップラーライダという装置を使って地上から観測することができますが、このドップラーライダの計測精度を検証する風速データを取得することもMuPAL-εの役割の一つです。

ドップラーライダはレーザ光を用いて数km離れた場所の風速を測ることができる装置ですが、原理上、レーザの視線方向(装置と観測点を結ぶ方向)の風速成分しか測ることができません。通常はレーザを発射する方向を変える(空間をスキャンする)ことによって異なる方向の風速を測りますが、今回は2台の装置で別の場所から同時に観測することによって風向・風速を高精度に計測する技術を試します。


電子航法研究所のドップラーライダ装置で旅客機の後方乱気流を計測している様子



旅客機が通過する位置を地上から観測


電子航法研究所のライダ装置(左)と情報通信研究機構のライダ装置(右)で空間上の同一点の風速を計測する実験。同じ点をMuPAL-εが飛行し、検証用の風速データを取得

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