宇宙航空研究開発機構

MuPAL-ε ホバリングディスプレイ評価実験1日目@大樹

昨日の大樹町は雨。

でしたが、今日は

晴れました。

D-NETが終了し(10/11実験用航空機レポート参照)、今期の大樹町実験第3弾として、今日からはホバリングディスプレイの評価実験が始まります。このホバリングディスプレイの実験は、今年2006年1月にも茨城県龍ヶ崎飛行場で行っており、今回はその続きです。

これから始まる実験についてブリーフィングが始まりました。
実験の目的や主旨を、まずパイロット自身に理解してもらうことが大切です。

空中の1点で静止する(もちろん機体のブレードは回っていますが)ホバリングは、ヘリコプタだけができる特技です。この特技をいかして、山間部や災害地域への物資輸送や地上や洋(海)上での救難活動に、ヘリコプタが用いられるのです。

でも、パイロットにとってホバリングの操縦は簡単なものではありません。ホバリングでは、高度だけでなく、前後左右にもずれないよう機体の位置を維持する必要があります。

ヘリコプタは、鼻先が上がる(これをピッチアップ、と呼びます)と後ろにバックし、逆に鼻先が下がる(ピッチダウン)と前進しようとします。風の影響などでこのように姿勢が変わると、パイロットにそのつもりがなくても、後進してしまったり前進してしまったりします。

このため、ホバリングのときには、パイロットは建物などに遠方目標をおいて、姿勢や方位を保ち、地面の動きから高度や位置のずれを把握します。


しかし、ホバリング高度が高い場合や、下が地面でなく海の場合には、そういった目印がありません。
現在、研究しているホバリングディスプレイとは、そういった地上の目印(目標物)がない場合でも安定したホバリングを行えるように、パイロットをサポートするための画面表示です。

ホバリング地点まで向かいます。
大樹町は紅葉真っ盛り、実験を忘れて見とれてしまいます。

見とれていたところ、プログラムに問題発生。
上空で修正作業に追われる羽目に。

初日の今日でしたが、予定していた実験ケースを無事終了することができました。
明日は午前と午後のあわせて2回のフライトが予定されています。

カレンダー

2006年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

アーカイブ