宇宙航空研究開発機構

LIFLEX第1回懸吊飛行試験@北海道大樹町 --実験5日目:下方ミラー/実験機初飛行--

昨日はヘリコプタに懸吊装置を付けてフライトを行ないました。今日はさらに実験機を吊るして飛行します。実験機にとっては初めての空です。

懸吊装置に加えて実験機を吊り上げた様子を、地上から地上班が観察します。その結果、実験機の機首が少し下向きになっていることが分かり、着陸後にロープを調節することになりました。実験機は懸吊装置から切り離れた後、自動で滑走路を目指して降下していくので、切り離されるときの実験機の姿勢(頭が上がっていたり、水平になっていたり、など)も重要なポイントなのです。

ヘリコプタは実験機から少し離れた場所から離陸し、そのあと横方向へ移動して(これを側進といいます。ヘリコプタの特技のひとつです)、実験機直上まで来ます。そこから少しずつ高度を上げて、懸吊装置と実験機を吊り上げていきます。

午後からは今日2回目のフライトです。
午後のフライト中、ヘリコプタの機内でちょっとしたアクシデントが起こりました。パイロットに経路を表示するためのモニタのケーブルの接続がゆるみ、モニタ画面が点滅し始めてしまったのです。パイロットは基本的には外を見ながら目視で操縦しているので、フライト自体には問題がありませんが、実験機を目標地点まで連れて行くためにはモニタ画面への経路表示は不可欠です。フライト終了後、整備士さんにお願いして直してもらいました。


ところで、このヘリコプタには、前方2箇所にミラーが付いています。懸吊した物体の様子を見るためもので、懸吊物やロープの長さに合わせて、角度を変えられるようになっています。写真はミラーに映った実験機と懸吊装置の姿です(コクピット左席から撮影)。


ヘリコプタが地上から浮く前、まだ地面しか見えません。


ヘリコプタが浮き上がり、実験機が見えてきました。


一緒に空を飛んでいます。


海の上でも一緒です(このときは懸吊装置だけですが)。ミラーの角度を変えることで、ヘリコプタ側の懸吊部分までも見ることができます。

明日もフライトが予定されていますが、台風が近付いており、天候の悪化が心配です。

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