晴天の今日、午後には懸吊飛行が予定されています。初めてヘリコプタに懸吊装置を取り付けた状態でフライトをします。
それに向けて午前中は、ハンガー内でハンドリング訓練が行なわれました。
ハンドリング訓練とは、離陸時と着陸時、ヘリコプタに取り付けられた懸吊装置と実験機を地上で受け止める訓練です。本番では、ヘリコプタは懸吊装置と実験機を吊り上げて離陸し、実験機が切り離れたあと、懸吊装置のみを吊るしたまま地上へ着陸します。
物を吊るしたヘリコプタの離着陸時は非常に危険を伴います。吊り下げた物体が何かに引っかかったり大きく揺れたりしてヘリコプタがバランスを崩すだけでなく、懸吊用のロープが風にあおられてヘリコプタに巻き付く危険があるからです。パイロットだけでなく、地上側の注意と協力も不可欠なのです。
ハンガーのなかで懸吊装置を上下させて、受け止める練習をします。安全のために"引っぱり"要員は全員、ヘルメットと手袋を着用します。
実験機のかわりに、実験機と同じ重さのおもりをつけました。
午後からはフライトです。懸吊装置を付けた状態でのフライトはこれが初めてです。
パイロットと地上の"引っぱり"要員の訓練のため、ヘリコプタに懸吊装置とおもりを付けた状態で上昇と降下を数回繰り返し行ないました。
(左)全員で息を合わせて懸吊装置を受け止めます。
(右)ヘリコプタに巻き付かないよう、整備士さんが懸吊ロープをしっかりと持っています。
このあと、おもりを外して懸吊装置だけを吊るした状態でフライトを行ないました。このフライト中の懸吊装置の姿勢を観察し、懸吊ロープの長さを調節しました。
このフライトの結果、懸吊装置が安定して飛行することを確認できたので、明日のフライトではいよいよ実験機を吊るした状態で飛行することになりました。
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