実験用ヘリコプタMuPAL-εは、昨年12月から点検と改造のために長期休暇をとっていましたが(MuPAL-ε、長期休暇へ)、予定通り8月末までに全ての作業を完了しました。
「点検」としては、エンジン、ギアボックス、その他ほとんどの装備品や部品を取り外して分解し、異常がないことを確認しました。計測システムについても、20種類以上あるセンサを全て取り外して、精度が劣化していないことを確認しました。2000年4月のMuPAL-ε運用開始以来、このような大規模な点検は初めてでしたが、大きな問題もなく、無事に終了しました。
「改造」は、全部で6項目行いました。そのうち最も大きなものは、実験用ヘリコプタの心臓部とも言える計測データ処理計算機を新しくしたことです。これまで使っていた計算機は、1999年に製造されたものでした。10年も経つと故障する確率が高くなってきますし、修理に必要な部品を入手することも困難になっていました。これで安心して飛行実験を行うことができます。
新しい計測データ処理計算機です。
従来のものは、内部に4台のPCが組み込まれており、多数のデータを分散して処理していましたが、性能向上により、1台のPCで全ての処理が行えるようになりました。これにより、信頼性が向上するとともに、小型・軽量化することができました。
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