宇宙航空研究開発機構

ヘリコプタJA21ME:調布へ帰還

調布飛行場に着陸するJA21ME

13時過ぎ、ヘリコプタJA21MEが調布へ帰ってきました。
21MEは、耐空証明検査の整備と実験機器の追加装備のため、4月から調布を離れていました。

耐空証明検査とは、国が実施する、その航空機の安全や環境への影響などを検査するものです。
基準を満たしている場合には証明が受けられます。ちょうど自動車の車検に相当するものです。
耐空証明は毎年更新が必要ですが、この証明が受けられなければ航空機は飛ぶことができません。
(ただし、航空会社の旅客機など、別規程で整備が実施されている航空機は1年ごとの更新が必要とされません。)

21MEは無事この耐空証明を受け、調布へ帰ってきました。今日から21MEでの作業が始まります。

芝浦へリポートに向かうところ今日、調布に戻ってきたヘリコプタ21ME(以後、MuPAL-εと表記します)ですが、午後から早速フライトがありました。
8月7日からMuPAL-εを用いた東京都心部のヒートアイランド現象の観測が始まります。今日のフライトはその観測に向けた、パイロット慣熟や飛行経路確認のためのフライトです。

芝浦へリポートに着陸MuPAL-εには、飛行中に風向・風速、大気の温度・湿度等を計測する装置が搭載されています。
ヒートアイランド現象観測は、都心部周辺を飛行してこれらのデータを取得することにより、高層ビルが風の流れにどのような影響を与え、それによってヒートアイランド現象がどのように発生しているかを解明するのが目的です。
航空法では通常、ビルなどの建築物から300m以上高い高度でなければ飛行することができません。今回は汐留地区にある芝浦へリポートに一度着陸し、低高度での観測も行なうことになりました。汐留地区は高層ビルをはじめ建築物の多い一帯です。芝浦へリポートでの観測では、それら建築物が風を遮っている様子を詳細に観測することが期待できます。

離陸し、レインボーブリッジの手前で旋回ヒートアイランド現象の解明には、日中だけではなく、夜間にも観測を行い、1日の大気状態の変化を正確に知ることが必要となります。このため、最高気温時(昼過ぎ頃)と最低気温時(夜明け前後)に観測を行うことになりました。夜間でも離着陸できるヘリポートは限られています。今回は千葉県にある浦安へリポートを利用することになりました。

夜間の離着陸(浦安へリポート)MuPAL-εにとっては、都心部のヘリポートに離着陸を行うことも、夜間に飛行を行うことも初めての経験になります。そこで、本番の観測飛行に先立って、芝浦へリポートへの離着陸と夜間飛行の慣熟訓練を実施しました。
実験用航空機は普段は人口が密集していない場所で飛ぶことが多いため、都会を飛ぶMuPAL-εの姿は新鮮でした。

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