宇宙航空研究開発機構

MuPAL-ε、大樹町飛行実験 -その3 有人機・無人機連携システム-

本日は有人機・無人機連携システムの実験です。昨年12月に実施した実験では、無人機の飛行状況を有人機(MuPAL-ε)のディスプレイに正しく表示できることを確認しました。今回の実験では、無人機が要救助者を発見し、有人機に救助要請を送信、有人機が現場に着陸して救助活動を行う、という一連の連携作業が円滑に行えることを確認することが目的です。ただし、今回の実験では、無人機については実機の飛行は行っていません。無人機の飛行データはコンピュータによるシミュレーションで模擬されます。このシミュレーション環境は、JAXAの航空プログラムグループが進めている災害監視無人機システムの研究のために開発されたものです。

有人機が現場に着陸する際には、空中衝突を防止するために、無人機は事前に着陸しておくか、あるいは十分離れた場所に待避する必要があります。今回は、無人機は別の場所に移動して要救助者の捜索を継続する、というシナリオで実験を行いました。



本研究で開発を進めている有人機・無人機連携システムでは、有人機から無人機に対して待避コマンドを送信することができます。無人機は、割当空域(左図の赤で塗られたエリア)内を飛行するように制御されますが、待避コマンドを受信した場合には、別の(有人機の飛行に影響を及ぼさない)割当空域が設定され、その空域に向けて移動を開始します。


有人機のパイロットは、無人機が安全な場所まで移動したことを確認した後に進入着陸を行います。

今回の実験により、(無人機がシミュレーション結果の通りに飛行すれば)円滑な連携が行えることが確認できました。来年度には、無人機も実機が飛行して実証実験を行う予定ですが、無人機システムが故障した場合の安全確保などが課題となります。

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