6.5m×5.5m低速風洞

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2025年7月24日

「JAXA×SkyDriveコラボセミナー」を開催

大阪・関西万博(EXPO2025)の会場に近い、大阪港バーティポート(Osaka Metroが整備)では未来のモビリティ体験イベント「空クルラボ」が開催されています。

JAXAは、イベントの一つとして6月と7月に開催された「JAXA×SkyDriveコラボセミナー」に登壇をさせていただきました。
セミナーは、SkyDriveの金子岳史さんによる空飛ぶクルマの概要や開発の歴史で始まりました。「空飛ぶクルマ実装に向けた段階的な取り組み」では、JAXA技術がどのように関わっているかを解りやすくご紹介いただきました。

社会実装に向けた段階的取り組み

社会実装に向けた段階的取り組み


続いて、6月のセミナーでは、「空飛ぶクルマの発展を支える空の交通管理」と題して、次世代空モビリティの協調的運航管理技術の研究開発(CONCERTOプロジェクト)についてJAXA原田賢哉がお話をさせていただきました。
航空技術研究の歴史を織り交ぜて、JAXAが持っている設備や技術について紹介するとともに、テーマである「空の交通管理」がなぜ必要なのか、どうやって実現するのかについて、実験用ヘリコプタを使った実証試験の様子などを交えて紹介しました。

左からSkyDrive金子さん、JAXA原田

左からSkyDrive金子さん、JAXA原田


7月のセミナーでは、「高性能な空飛ぶクルマの機体開発」と題して、空飛ぶクルマの開発、発展を支える風洞技術について、JAXA廣谷智成がお話をさせていただきました。

今回は、JAXA風洞設備の一つとして、6.5m×5.5m低速風洞を紹介するとともに、機体開発における風洞試験の役割や計測技術、試験例として小型無人機の実機スケール試験やドローンのフリーフライト試験を紹介しました。
また、SkyDriveが実際にJAXAの風洞設備で試験をした時の模型(実機21%スケール)を展示したことでより理解が深まり、参加者の関心が高まりました。

左からSkyDriveが開発中の機体の風洞模型、SkyDrive金子さん、JAXA廣谷

左からSkyDriveが開発中の機体の風洞模型、SkyDrive金子さん、JAXA廣谷


最後に、金子さんは「空飛ぶクルマ自体は夢の乗り物という印象をお持ちの方が多いが、開発には色々な方と連携し1歩1歩ステップを踏みなが、安全で確実に安心して乗ることができるモノづくりに取り組んでいます。皆様に活動を知っていただきながら、応援していただきたい。」と語られました。

各回のセミナーには立ち見が出るほど多くの参加者が集まり、セミナー中は参加者がうなずきながら熱心に耳を傾ける姿が見られました。セミナー終了後には技術的な質問が多数寄せられ、空飛ぶクルマへの関心の高さが伺えました。

大阪港バーティポートのような離着陸場が、難波や心斎橋、万博の夢洲、森之宮にあることをイメージしながら、空飛ぶクルマが飛び交う将来の大阪の姿を参加者は描かれたのではないかと想像します。

会場の様子

会場の様子

会場となった大阪港バーティポート

会場となった大阪港バーティポート

2025年7月24日更新