リブレット実用化技術の研究開発
リブレットを施工した国際線航空機が世界で初めて就航しました
この度、世界に先駆けてリブレット(※)を施工したJALの国際線旅客機ボーイング787-9型機が就航しました。2022年7月より、JAL国内線機材に施工されたリブレットは、その耐久性の検証を行ってきましたが、JAL国際線ボーイング787-9型機で、より大面積の施工が実現し、世界で初めて旅客機による飛行実証を行うこととなりました。胴体の約30%にリブレットが施工され、約0.24%の抵抗低減率が見込まれています。これは推算すると、年間約119tの燃料消費量と約381tのCO2排出量の削減となり、スギ約27,000本の年間CO2吸収量に相当します。

リブレット施工部分 ©JAL
今後、リブレットの耐久性、美観性、および長距離国際線における燃費改善効果を検証し、さらなる施工範囲の拡大や性能向上を目指すとともに、エアラインや企業とも協力し、航空機の脱炭素化やリブレットの社会実装を進めてまいります。
※リブレットとは、機体表面に溝幅0.1mm程の微細な縦溝を施すことで表面摩擦抵抗を減らし、燃料消費量及びCO2排出量を削減させる技術です。JAXAは、飛行実験や風洞実験、コンピュータシミュレーションを活用した数値解析技術により、リブレットの研究開発及び実用化を通して、環境に優しい航空機技術の社会実装を進めています。

機体胴体にリブレットが施されたJAL国際線ボーイング787-9型機

物体表面近傍には摩擦抵抗を増大させる渦と呼ばれる回転した流れが存在する。リブレットにより渦が機体表面から遠のくことで摩擦抵抗が低減される。
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2023年2月28日JAXAプレスリリース 『JAL、JAXA、オーウエル、ニコン世界初、塗膜にリブレット形状を施工した航空機で飛行実証試験を実施~航空機の燃費改善でCO2排出量削減に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献~』
https://www.jaxa.jp/press/2023/02/20230228-2_j.html |
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2023年11月10日 JALプレスリリース 『リブレット形状を航空機に大面積施工し、燃費改善効果を計る飛行実証実験を開始します』
https://press.jal.co.jp/ja/release/202311/007744.html |
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2023年11月10日 O-Wellプレスリリース 『リブレット形状を大面積施工した航空機での燃費改善効果を計る飛行実証実験の開始に関するお知らせ』
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00965/7c4c412e/e8f7/4f0b/beb0/513672006e88/140120231110585499.pdf |