電人計画

ヒューマンエラーによる事故には主要因と複数の背景要因が存在します。その対策には日常的な運航データから、事故に至らないもの(インシデント)まで広く調査し、それらの要因となる不安全要素を抽出する取り組みが必要となります。
インシデントは、潜在的なパイロットエラーにより1000飛行時間当たり1回は発生していると推測されています。インシデントを防ぐには、インシデントの原因となるパイロットのエラーやスレット(エラーの要因となる脅威)、管制官との交信ミスなどを、日常の運航から抽出し識別することが必要です。しかし、従来の解析方法は位置・姿勢・機器の状態などを記録した飛行データを用いる方法であり、パイロットのエラーやスレットなどは記録されないため検出することは困難でした。
JAXAが開発している「OPSAMS(Operational Procedures Safety Analysis and Monitoring System)」は、飛行データからパイロットの行動を再現し、手順通りに実施された場合の行動と比較することで、エラーを抽出することを可能にします。

さらに、この技術をコックピットに搭載し、管制官との会話やパイロットの行動などのデータをリアルタイムに処理し、あたかももう1名が搭乗しているかのように(“電人”)パイロットにアドバイスを与えることで、エラーやスレットの影響を事前に回避することが可能になります。

運用イメージ
パイロットの行動や機体の状態を監視し、エラーやスレットを察知してパイロットに適切なアドバイスを与えます。

OPSAMS(Operational Procedure Safety Analysis Monitoring System)

電人技術のひとつとして、飛行データから、パイロットエラー等の安全性に影響を及ぼす不安全要素を抽出する技術OPSAMS(Operational Procedure Safety Analysis Monitoring System)の開発に取り組んでいます。

OPSAMSのイメージ