宇宙航空研究開発機構

今朝は宿泊先から浦安へリポートに移動するうちから「星が見えない」「街灯がぼわっとしていて、もやがありそう」など不吉な発言が続きます。今回の実験は、風が弱い条件で実施するために日の出前後に飛行していますが、この時間帯は一日のうちで気温が最も低くなるときでもあります。気温が下がると雲やもやが発生しやすいので、昨日や今日のように「風が弱いが雲が低い」となってしまいます。

コックピット・ディスプレイに表示した気温、露点温度。

今日のフライトも朝4時半に離陸です。皆さん時差ボケ(国内なのに...)も大分治ってきた感じで、てきぱきと準備を進めます。天候チェックの結果は、少し雲がありそうで高さははっきり分からないが実験はできそうということでした。

離陸直前のMuPAL-ε。航空機の機体の右側(機内から見て右側)には緑、左側には赤のライトが付いています。左右のライトの色が違うので、夜間など他の機体が見えにくい時でも、ライトの色で機体の向きを判断することができます。

今日のフライト、離陸予定は朝4時半。浦安ヘリポートへの集合は3時です。深夜に移動するので実験隊は浦安ヘリポート近くに宿泊しました。それでも2時半には宿を出発しなければいけません。外に出ると星が見えていて、天気は良さそうなので一同ほっとします。
浦安へリポートに着くと最初に天候のチェックをします。近くの気象観測所のデータや衛星写真などをインターネットで取り寄せて、実験中の風や雲がどうなるかを予測します。そして実験項目、注意事項などを再確認していよいよ出発です。

暗くて分かりにくいかもしれませんが離陸前のコックピットです。窓の外には近くの建物が見えています。

今年度の最初の飛行実験はMuPAL-εのBVI騒音計測のフライトです。
BVI(Blade-Vortex Interaction、ブレード渦干渉)騒音とは、ヘリコプタが降下してくる時等に発生する「バタバタ」という大きな騒音です。飛行場やヘリポートに着陸する際、降下とともにBVI騒音が発生することが多く、騒音被害を低減するためにはこのBVI騒音を小さくすることが課題となります。

出発前の点検です本日9:00、MuPAL-εが熊本を離れました。
がら~んとした格納庫に残されたレーダチームのコンテナがやや物淋しく見えます。ひと気の減った控え室に戻ると「これで今年度の実験も終わりだなぁ」という感慨が...。
JAXAという組織を超えてこの実験にご協力くださった
崇城大学、熊本空港、阿蘇市役所のみなさま、実験を支援してくださった全ての方々に感謝いたします。
ありがとうございました。

お世話になりました。また会いましょう!

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