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宇宙航空研究開発機構

西山 万里

2016年4月入社
次世代航空イノベーションハブ 航空機システム研究チーム

――航空技術部門を目指したきっかけを教えてください。
 子どもの頃、実家から夜空の星がよく見えたり、近所にプラネタリウムがあったりしたことから、星や宇宙に興味を持っていました。中学生の頃、JAXA陸域観測衛星の愛称の公募があり、私は「だいち」という案で応募しました。採用された愛称を付けた中の一人として「宇宙は遠い世界のものではなく、自分でも努力次第で関わることができるのだな」と思ったのが、JAXAを目指した最初のきっかけです。
 飛行機も昔から好きで、中学生の頃に調布航空宇宙センターの一般公開を見学しました。その時は、研究者として常に新しい事を学んでいかなければいけないという話や、自分の中にある夢を実現するために努力するような話などを聞いて感銘を受けました。 ただ、当時の自分としては宇宙への興味の方がより大きかったですね。

――現在携わっている仕事内容を教えてください。
 私は電動推進航空機の研究をしています。現在航空機で広く利用されているジェット機はジェット燃料を燃やして飛行していますが、地球温暖化の主な要因となる温室効果ガスに含まれるCO2が発生します。それに対して電動推進航空機は、電池に蓄えた電流でモーターを回転させて飛ぶので、飛行している時はもちろん、電気を作る工程を含めてもジェット機よりCO2の排出量が少なくなります。また騒音や振動も少なく抑えることができるので、航空機が増えていくこれからの社会に必要な存在になるだろうといわれています。私の入所前ですが、JAXAは2015年に「航空機用電動推進システム技術の飛行実証(FEATHER)」で、本格的な電動推進航空機による国内初の有人飛行を行っています。
 将来的に電動推進航空機を旅客機並みに大型化することを目指し、現在はモーターの効率や将来性能の検討値などを調べ、そのデータを元に燃費の性能比較をしたり、電動推進航空機の利点を生かした航空機の制御を検証するための実験準備をしたりといった仕事をしています。

――どのようなことに研究のやりがいを感じますか?
 私はもともと宇宙分野を志望していて、大学では電気系に進みました。修士の時には宇宙科学研究所に行き、機械学習を応用した月面探査ロボットの着陸地点や経路を最適化し、経路計画を立てるという研究をしていました。自分としては、自分の研究が航空分野で活かせると思っていなかったので、調布航空宇宙センターに配属になるという連絡をもらった時には「調布ですか?」と二度聞き直してしまったほどです。しかし実際に来てみると、私が研究していた機械学習が、例えば航空機の故障を検知したり、パイロットのより良い操縦などをサポートしたりという形で、航空機にも適応できることを初めて知りました。自分が知らなかった航空分野の世界に入って、さまざまな研究をしている方々に触れることで、自分が今までに得てきた知識をどのように適用できるか、自分の研究をもっと広げていきたいと感じていて、今ではそれがやりがいになっています。
 JAXAでは航空や宇宙のいろいろな部署を経験できるのが面白いところです。中でも調布航空宇宙センターは、積極的に若手研究者を学会に派遣するなど、若手研究者の研究や学びを支援する風土があって、じっくり研究をしたいという人にはお勧めだと思います。
 また、学生時代は情報系の研究をしていたので、扱うのは実際に手で触ることができないパソコンのデータだけでした。しかし、今は、試験機を飛ばすこともありますし、試験装置などを自分で設計して作ることもあります。実際に自分が研究したり関わってきたりしたものが、形になってそれに触れることができ、将来的には航空機の世界の変革につながるのかもしれない。そう思いながら仕事できるのはとても大きなやりがいです。

――今後やりたいことや夢を教えてください。
 航空機を飛ばすには、複雑な操縦をしなければなりません。身近なマイカーのように、より多くの人に自由に利用されるような航空の世界が来るといいな、というのが、私の夢の一つです。また、自分の研究がたくさんの人にいろいろな形で使われるようになることもやりたいです。自分の研究を他の研究者にうまく活かしてもらって、その輪がどんどん広がっていく、そんな良い循環を作り出すことができる研究者になりたいと思っています。


2017年3月現在
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