航空エンジン低騒音化技術

低騒音化には二つの研究活動が必要とされます。一つは、音源の空力及び音響的な現象を理解することです。もう一つは、音源の理解に基づき騒音低減技術を提案し、実証することです。数値解析に加えて、音響試験設備や小型ジェットエンジンを使った実験が実施されています。

ジェット騒音

ジェット騒音に対する騒音低減装置の効果を明らかにするために数値解析が使われます。模型やジェットエンジンを使った実験では、ジェット騒音低減装置の音響的及び空力的効果を評価しています。フェーズドアレイマイクロホンシステムや光学装置を使った可視化は、音の発生や伝播を理解することに使われています。

ファン騒音

ファン騒音や入口乱れを調べるために数値解析や実験が行われています。ファン試験装置では、逆位相の二次音源群を使ってファン離散周波数音を能動制御します。小型ファン試験装置を使って、ファンへの入口乱れを計測しています。

音響ライナー

受動的或いは能動的音響ライナーは、エンジンのファンやコアで発生する音を減衰させます。数値解析による知見は、より良いライナー設計に反映されます。フローダクト装置は、グレージング条件のライナーの音響特性を評価します。

エンジン試験

小型ターボファンエンジンを使った騒音試験を実施しています。これまでにミキサノズル、音響ライナーがエンジンに適用されました。騒音試験では、騒音低減装置がもたらす音響的特性をエンジン性能と共に評価します。


2020年3月31日更新