Re-BooT(ロバスト低ブーム超音速機設計技術実証)プロジェクト
Re-BooT 最新情報
Boeing/JAXA共同による超音速風洞試験を実施(2026年3月16日~25日)
米国Boeing社と共同で、将来の静かな超音速旅客機を想定した低ブーム概念機体「Low-Boom STCA(Supersonic Technology Concept Aeroplane)」の模型を用いた風洞試験を実施しました。
超音速旅客機の実用化のためには、ソニックブームによる騒音を抑えることに加え、空気抵抗を低減し、効率よく飛行できる機体を設計することが重要です。Re-BooTプロジェクトではその両立を目指し、機体形状の設計技術に関する研究開発を進めています。
今回の試験では、Boeing社が概念設計を行った将来の超音速旅客機を対象に、JAXAが開発を進めているロバスト低ブーム設計技術を適用し、設計を改良した模型を製作しました。事前のコンピュータシミュレーションでは、主翼や尾翼などの形状を改良することで、空気抵抗を低減できることが予測されていました。
では、その改良は、実際の超音速の空気の流れの中でも効果を発揮するのでしょうか。
この問いに答えるため、調布航空宇宙センターの1m×1m超音速風洞で模型試験を実施しました。改良前後の模型に働く空気力を同じ条件で測定して比較し、この改良によってシミュレーションでの予測に近い空気抵抗の低減効果が確認されました。これは、JAXAのロバスト低ブーム設計技術が有効に機能することを示す成果です。
コンピュータで予測し、風洞試験で確かめる。こうした検証を積み重ねることで、静かな超音速機の設計技術は、より確かなものになっていきます。Re-BooTプロジェクトでは、今回得られたデータも活用しながら、将来の静かな超音速飛行の実現に向けて、引き続き研究開発を進めていきます。
この風洞試験の様子は、JAXAデジタルアーカイブスやJAXAのYouTubeチャンネルで閲覧できます。ぜひご覧ください。
・JAXAデジタルアーカイブス - カテゴリ「超・極超音速機」
・JAXA YouTubeチャンネル - 風洞で確かめる静かな超音速機のかたち
実証機の製造開始 - First Metal Cut を実施(2026年4月2日)
いよいよ、“画面の中の設計”から、“実物の機体”が生み出されます。
実証機開発の節目となる、最初の部品の加工が行われ、製造段階がはじまりました。
今後は次々と部品が作られ、やがて1機の実証機として組み上がっていきます。
- 実施日:2026年1月26日
- 実施場所:三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所 大江工場(実証機の開発担当拠点)
- 内容:飛行実証機の最初の部品加工(First Metal Cut)
加工開始のボタンを押す三菱重工業株式会社 髙口 民間機セグメント長
そして、記念すべき最初の部品ができあがりました。
今回の First Metal Cut では、実証機の胴体に用いられる構造部品を切削しました。
金属のブロックから、実証機の最初の部品が形として現れる。
工場は、ものづくりの現場ならではの高揚感に満ちていました。
今後は、部品製造、組立、地上での確認試験などのさまざまな工程を経て、2028年の飛行実証試験に向けて開発が進んでいきます。
写真・図提供 三菱重工業株式会社
次世代超音速旅客機のコンセプトイメージ (2026年1月19日)
次世代超音速旅客機のコンセプトCGを作成しました。
JAXAが研究している「静かな超音速旅客機」のイメージ図です。
この機体は、ARRAとNASAの資金で行われた概念設計に、JAXAのロバスト低ソニックブーム設計技術を適用した小型超音速旅客機のコンセプトです。
超音速巡航中の飛行経路直下に加え、側方や加速時なども含めた広い範囲でソニックブームの騒音を静かにします。
JAXAのRe‑BooTプロジェクトでは、ロバスト低ブーム設計技術の飛行実証と、静かな超音速旅客機の実現に向けた設計技術の研究開発を進めています。
これらの成果は、超音速機の国際的な騒音基準作りに役立てることも目指しています。
今回紹介したCG画像を含む複数のイメージは、JAXAデジタルアーカイブスで閲覧・ダウンロードできます。ぜひご覧ください。
・JAXAデジタルアーカイブス - カテゴリ「超・極超音速機」
ミッションマーク決定!(2025年12月3日)
Re-BooTプロジェクトのミッションマークが決定しました。
Re-BooTプロジェクトでは、JAXAの「ロバスト低ブーム設計技術」を適用した実証機を開発し、超音速飛行中に発生するソニックブームを計測する飛行実証試験を行います。
今回完成したミッションマークは、先進的で特徴的な飛行実証機のシルエットに、波紋のように広がるソニックブームを重ね合わせた、プロジェクトを象徴するデザインです。
このミッションマークのもと、すべての関係者が一丸となり、次世代の「静かな超音速機」の実現に向けて、プロジェクト成功に全力を尽くしてまいります。
飛行試験場の現地調査(2025年8月25日~29日)
飛行試験を実施するスウェーデン北部のEsrange Space Centerを訪れ、試験場を運営しているSSC(Swedish Space Corporation)の支援の下、現地の調査や確認試験を実施しました。飛行試験で使用する地上計測システム開発を担当している明星電気株式会社も同じ期間に試験場を訪れ、現地の状況確認や関連試験を行いました。
東西約70km、南北約100kmという広大な試験場の中に、ソニックブーム計測や気象計測を行うのに適した場所を探します。今回は候補となる計測地点を実際に訪れて、計測を行うことができる場所かどうかを確認しました。試験場内には道路は整備されていないため、ヘリコプターを使って移動します。
また、これらの計測候補地点や実際の飛行試験に近い環境で、ソニックブーム計測や気象計測システムのプロトタイプ等を用いて動作や運用の確認も行いました。
今回の調査と試験の結果は、今後の飛行試験計画の検討や計測システムの開発に反映されます。
実証機アンテナパターン試験(2025年4月7日~6月11日)
電子航法研究所(ENRI)の電波無響室で、実証機のアンテナパターン試験を実施しました。実証機の開発試験の一環として、三菱重工業株式会社が実施したものです。
飛行試験中は、無人で自律飛行する実証機の状態を管制室からリアルタイムに監視したり、非常時には飛行停止指令を送ったりするために、実証機と常に無線で通信を行います。
アンテナパターン試験は、この通信に使用するアンテナが、電波をどの方向にどれだけ強く放射または受信するかを測定・評価する試験です。
今回の試験結果は、実証機の設計・開発に反映されます。
実証機ソニックブーム特性把握風洞試験実施(2025年2月10日~14日)
2月10日から14日にかけて、JAXA 2m x 2m遷音速風洞にて、飛行実証機のソニックブーム特性を評価するための風洞試験を実施しました。
実証機空力特性把握風洞試験(2025年1月20日~2月7日)
1月20日から2月7日にかけて、JAXA 2m x 2m遷音速風洞にて、飛行実証機の空力性能を評価するための風洞試験を実施しました。風洞試験はRe-BooTプロジェクトのパートナー企業である三菱重工が担当しました。
JAXA航空シンポジウム2024でのプロジェクト紹介(2024年10月18日)
10月18日に東京ビッグサイトで開催されたJAXA航空シンポジウム2024にて、Re-BooTプロジェクトの概要を紹介しました。シンポジウムではRe-BooTプロジェクトで共同研究を進めている米国NASAとBoeing社からの招待講演も行い、JAXAとの超音速機関連研究について紹介いただきました。