[開催報告] 航空機電動化の将来ビジョンを「見える化」~航空機電動化(ECLAIR)コンソーシアム第1回オープンフォーラム開催~

「航空機電動化(ECLAIR)コンソーシアムの第1回オープンフォーラム」会場の様子

2018年12月21日、都内で航空機電動化(ECLAIR)コンソーシアムの第1回オープンフォーラムを開催し、次世代航空イノベーションハブの西沢啓ハブマネージャ(エミッションフリー航空機技術チーム長)が、航空機電動化(ECLAIR)コンソーシアムが策定した航空機電動化 将来ビジョンを報告しました。これは、2018年7月にスタートしたコンソーシアムでのこれまでの討議を踏まえ、技術開発の方向性を内外で共有するために策定されたものです。報告では、将来ビジョンを「Ver.1」と呼び、航空機電動化における研究開発の状況の変化に合わせて内容をアップデートしていくことも表明しました。今回のオープンフォーラムは、日本が航空機電動化に取り組むことで国内産業のすそ野を拡大するためのステップとしての位置付けを持つと言えるものです。

当日は基調講演や個別発表を通じて、それぞれの団体/企業による航空機電動化への取り組みと、必要とされる技術の現状や課題などが紹介されました。また、コンソーシアム会員によるパネルディスカッション「航空機電動化への挑戦」では、将来ビジョン策定に当たっての工夫や苦労、将来ビジョンの意義、また実現への課題やコンソーシアムの役割について、活発な意見が交わされました。その中で経済産業省の高橋拓磨氏が、「航空機産業のゲーム・チェンジとなりうる『電動化』というチャンスを、見える化し言語化した」と今回の将来ビジョンの意義を語ったほか、日本の電動化の進捗状況や、強み弱みを質問する来場者に対し、西沢ハブマネージャが、「日本での電動化はこれからだが、要素技術のポテンシャルは海外に遅れていない。認証の経験がないので補強していくような取り組みが必要」と述べました。

※当日のプログラムはこちらからご覧いただけます。

ご参加いただいた方々の業種

ご参加いただいた方々の業種

参加者アンケートを読むと、自らの業種を「航空」と答えた方は全体の2割に留まり、航空関連分野や機械・製造業を中心に、産学官の幅広い方々に参加いただけたことが分かります。オープンフォーラムへの参加目的では、航空機電動化の最新動向を把握して自分の研究やビジネスにつなげたいという方、コンソーシアムへの参加を検討している方も多数おられました。コメントでは、電動化の背景や課題を理解できたという声が寄せられる中で、「電動化は将来必須だが、相当な研究と実験を要する領域と感じる」、「ロードマップで2050年というと先のようだが、あまり時間的な余裕がない」、「スピード感が必要」、「課題も多く、オールジャパンで向かわなければいけない」といった意見もあり、日本における航空機電動化の動きに対する興味・関心の高さと真剣さを感じさせるものでした。

講演資料

講演資料データをご覧いただけます。(以下、敬称略)


2019年2月15日更新