V/STOL機の飛行性・評価技術

JAXAでは4発ティルト・ウィングVTOL機の研究開発を進めています。海外でもティルトロータ式VTOL機のAW609(イタリア)やLCTR2(アメリカ)等の開発が進められていますが、安全技術の確立や経済性向上などの課題から、現状では実現に至っていません。
将来の航空輸送の運用性向上や利便性向上をもたらしうるV/STOL機の開発のためには、飛行性・安全性設計及び評価の基盤技術を研究・開発が必須です。V/STOL機は速度ゼロから高速飛行域へ形態を変えながら飛行するために、その飛行特性は場面によって大きく変化します。このため飛行性・安全性設計及び評価の基盤技術として重要な、機体特性の正確なシミュレーション環境及びそれに基づく安全基準・評価手法の開発を行い、設計や解析プロセスの効率化を可能にします。また安全な遷移飛行を実現するための制御則設計手法を開発するとともに、これらの実験評価・検証を低コストで実施するための小型の無人スケール実験システム技術を研究・開発します。