CFRPリサイクル技術

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航空機構造への炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の適用率は年々増加しており、ボーイング787やエアバスA350XWBでは構造重量の50%に達しています。これまでの航空機はアルミニウム合金が主構造材料であるため、現在の技術でリサイクルが行われており、航空機がスクラップされた後にアルミ廃材として売却されています。一方、CFRPのリサイクルに関する研究は国内、海外でもいまだ少なく、今後のCFRPの利用増加を考慮するとリサイクル技術はCFRPにとって必要不可欠な課題であると言えます。
JAXAでは、このCFRPのリサイクル技術に関する基礎的な調査や検討を行い、高性能な炭素繊維が使用されている航空機構造から、再度CFRP部品に適用できることを目指した複合材料の創成に関する研究を進めています。

常圧溶解法により繊維と樹脂を分離


Ref. 米国不織布工業会、不織布便覧、不織布情報、1995年
湿式法により繊維不織布を製作


不織布製作時に使用されるバインダの影響

参考
  1. [1] 東出、岩堀、杉本、星、湿式不織布CFRPのバインダーが引張圧縮強度に及ぼす影響、第55回構造強度に関する講演会、3B13、2013年(口頭発表)
  2. [2] 東出、岩堀、杉本、星、リサイクル炭素繊維を用いた不織布CFRPの強度評価、第54回構造強度に関する講演会、3B08、2012年(口頭発表)
  3. [3] 東出、岩堀、青木、星、リサイクル複合材に関する研究、第2回航空プログラムシンポジウム、2011年(口頭発表)(PDF: 11.4MB)