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宇宙航空研究開発機構

気象影響防御技術(WEATHER-Eye)の研究開発

次世代航空イノベーションハブの活動

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2017年12月26日
第2回WEATHER-Eyeオープンフォーラムが開催されました
2017年11月10日、東京大学武田ホールにおいて、気象影響防御技術(WEATHER-Eye)コンソーシアムが主催する「第2回WEATHER-Eyeオープンフォーラム ~空は動く、航空を守る技術を~」が開催されました。2016年に引き続き……[続く]

航空機の運航は、気象に大きく影響を受けます。特に日本の冬は、世界的にみても航空機にとって厳しい環境であるといえます。例えば、機体への着氷雪は、航空機の運航、特に離陸時に大きく影響します。滑走路への積雪は、日本の雪が滑りやすい性質を持っていることに加え、短い滑走路で比較的大型の機体が運用されていることから、オーバーランの危険性が高くなります。また、冬に発生する雷(冬季雷)は、夏に起きる雷に比べてエネルギーが大きく、機体に被雷した際の損傷も大きくなります。

航空機は、着氷雪や被雷が発生しても一定の安全性は保てるように設計されていますが、運航効率を下げてもより安全な運航を行っていることも事実です。さらに、私たちの想定を超えるような気象状況になった場合に、重大な事故や不具合が発生する可能性もあります。

JAXAは、気象状況に対する機体の安全性を効率的に維持するため、機体・滑走路の状態や気象状況を検知し、予測・防御する気象影響防御技術(滑走路雪氷検知技術、被雷危険性予測技術、被雷防御技術、エンジン防除氷技術、エンジン砂塵防御技術)の開発を目指す「気象影響防御技術(WEATHER-Eye)」の研究開発を行っています。

運用イメージ

滑走路雪氷検知技術

滑走路上の雪氷の状態をリアルタイムでモニタリングすることにより、航空機が安全に離着陸可能かを素早く判断することができるようになります。これまで滑走路上の積雪のモニタリングについては、除雪するかどうかの判断のために積雪の有無程度が判断できるセンサーしかありませんでした。運航をサポートするためには、積雪や雪氷の状況を詳細に知る必要があります。そこでJAXAでは、産官学の共同研究により、雪氷の種類と深さを計測する滑走路埋設型のセンサーの開発に取り組んでいます。

滑走路雪氷検知技術のシステムイメージ

被雷危険性予測技術

着氷しそうな気象状態や機体に被雷しそうな気象状態が事前に分かれば、航空機にとって驚異となる気象状態を回避して運航することが可能となり、航空機の安全性に寄与できるとともに、被雷による機体の損傷修理も少なくなるため、運航の効率向上につながります。そこで気象状態を事前に検知するための技術開発に取り組み始めています。

被雷危険性予測技術のシステムイメージ

被雷防御技術

航空機への被雷は全てを防ぐことは困難なため、被雷による機体の損傷をより少なくすることは非常に重要な課題です。そこで特殊な構造・材料により被雷による損傷を少なくするための技術開発を産学官連携で実施しています。加えて、被雷位置をコントロールする技術にも取り組み始めています。

被雷防御技術のシステムイメージ

エンジン防除氷技術

エンジン、特にファンに氷が付着することにより、推力が低下したり剥がれた氷がエンジン内部に損傷を与えたりする可能性があります。そこで、着氷の数値シミュレーションおよび実験技術の開発に取り組み、氷が付きにくい翼設計や防除氷ヒーティング技術の開発に取り組んでいます。

エンジン砂塵防御技術

エンジンに砂塵(火山灰や砂など)が入り込むと、エロージョンが発生しファンやタービンを傷める可能性があります。また条件によってはデポジションが発生して火山灰がファンやタービンに付着し、推力低下につながる可能性があります。そこで、耐エロージョン性・耐デポジション性を高めるための技術開発に取り組み始めています。

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