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宇宙航空研究開発機構

極超音速旅客機技術

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2016年4月21日
極超音速ターボジェットのアフターバーナー燃焼実験に成功

平成28年2月~3月に実施した推進風洞実験(宮城県・角田宇宙センター)において、マッハ4飛行状態における極超音速予冷ターボジェットのアフターバーナー燃焼に成功しました。...[続く]

JAXAは太平洋を2時間で横断できるマッハ5クラスの極超音速旅客機の実現を目指して技術を確立することを目指して研究開発を進めています。マッハ5で飛行する極超音速旅客機においては、マッハ2以下の超音速旅客機と比べ、高温な環境で飛行することになるため、新しいエンジンや耐熱構造等の研究開発が必要になってきます。
現在は、離陸からマッハ5まで連続作動できる極超音速ターボジェットの研究開発を中心にして、極超音速旅客機のシステム検討、空力設計、耐熱設計等を進めています。

【参考】極超音速予冷ターボジェットの研究開発経緯

極超音速ターボジェットの研究開発

極超音速ターボジェットの技術実証を目的として、推力1kN級の小型実証エンジンの研究開発を進めています。2004(平成16)年にエンジン試作実験に着手し、2008(平成20)年に世界で初めて離陸状態でのエンジンシステム実証実験に成功しました。
マッハ5で飛行すると、空気の流れを減速させるインテークの出口部分の温度は1,000℃にもなります。そこで、極超音速ターボジェットでは、燃料の液体水素が非常に冷たいという特徴を生かして、高温空気を燃料で冷却して、コアエンジンが耐えられる約300℃に冷却する方式を採用しています。この方式により、1つのエンジンで離陸からマッハ5まで連続作動させることが可能となっています。冷却によって空気の密度が大きくなるので、エンジンの推力が増大するという利点もあります。

極超音速ターボジェット

極超音速ターボジェットは以下の主要部品で構成されています。

現在は、極超音速ターボジェットの主要技術の確立を目指して、耐熱設計を適用した小型実証エンジンを完成させ、高温環境で耐熱機能を確認しています。今後は、マッハ5飛行状態を模擬できるラムジェットエンジン試験設備(JAXA角田宇宙センター)において極超音速ターボジェットの推進性能を取得していく予定です。

極超音速ターボジェット 地上燃焼実験

極超音速ターボジェット マッハ4模擬環境実験

極超音速機旅客機のシステム検討

最適化設計プログラムを用いて極超音速旅客機の設計検討を進めています。東京-ロサンゼルス間を運航する100人乗りの機体について、機体重量を最小化するための形状を導出しました。また、極超音速旅客機の搭載機器(客室、燃料タンク、降着脚等)の配置の検討を進めています。液体水素の燃料タンクは、機体の前方と後方に配置され、離陸から極超音速で飛行する際に、重心位置を移動して、安定して飛行できるようにしています。

極超音速旅客機の搭載機器配置

極超音速旅客機の空力設計

高速で長距離を飛行するために必要な燃料を搭載できる体積を確保するとともに、高い揚力と低い空気抵抗を両立可能な機体空力形状に関する研究を進めています。
マッハ5巡航飛行と離着陸飛行の両方で安定して飛行できる形状を得るために、風洞実験や数値解析で空力性能を評価し、形状を改良しています。

極超音速旅客機の極超音速風洞実験(マッハ5)

極超音速旅客機の低速風洞実験(30m/s)

極超音速旅客機の数値解析(マッハ5)

極超音速旅客機の耐熱設計

マッハ5巡航飛行時の高温環境からの熱の侵入を抑える遮熱壁と、客室や機体構造を一定温度に保つための熱管理設計について検討を進めています。極超音速風洞実験で機体表面の温度分布を求めるとともに、遮熱壁の要素実験を進めています。最も高温となる胴体と主翼の先端部には高温に耐えて軽量の炭化ケイ素系の複合材料を適用することを検討しています。

極超音速風洞実験で得られた温度分布

極超音速技術実験機の検討

極超音速ターボジェットのマッハ5飛行環境実証を主目的とした極超音速技術実験機の検討を進めています。固体ロケット等の外部加速手段で実験機を加速した後、マッハ5巡航状態におけるエンジン性能を取得する計画です。

極超音速技術実験機

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