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宇宙航空研究開発機構

HOTALW

HOTALW(High performance Optical fiber sensor flight Tests for AirpLane Wing、光ファイバー分布センサーによる航空機主翼構造モニタリング技術の飛行実証)は、JAXAが開発する「光ファイバー歪み分布計測システム(OFDR-FBG)」を用いて、光ファイバーセンサーでひずみや損傷の検知を行い航空機の運用に役立てる飛行実証です。

航空機のより高い安全性や低燃費、運航メンテナンスコストの低減などを実現するための要素技術開発では、飛行時における機体各部のひずみや損傷などの状態を的確に把握することが、とても重要となります。
機体各部に作用する荷重や応力などの検知には綿密なセンサーシステムが不可欠ですが、ひずみゲージと呼ばれる従来型のセンサーは、取り付け位置だけの“点”で計測するため、膨大な数のデバイスと複雑なケーブル網が必要でした。これに対して、光ファイバーでのセンシングは1本で多点を同時に計測でき、複数の光ファイバーにより“面”でとらえることも可能です。航空機の各部に張り巡らし、いわば生体の神経系のように機体状況を把握するシステムを構築できます。

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HOTALWの成果

HOTALWでは、2016年と2017年にそれぞれ飛行実証試験を実施しました。

2016年の試験は、JAXAの「光ファイバ歪み分布計測システム(OFDR-FBG)」が、実際の飛行環境下で正常に機能するかを確認しました。実験用航空機「飛翔」の機体内部にある胴体ストリンガー(縦通材)と圧力隔壁の一部に光ファイバーセンサーを設置し、離着陸時を含む飛行時に発生した微小な機体の変化を計測しました。

機体内部に配置された光ファイバー(赤矢印で示した黄色い線)

2017年の試験は、実験用航空機「飛翔」の主翼下面に2系統の光ファイバーセンサーを設置し、実際の飛行環境下において主翼の変形を計測しました。両翼約20mにわたって、空間分解能(計測点の間隔)1.6mm、時間分解能151Hz(毎秒151回計測)のひずみ分布計測を行い、通常のひずみゲージでの計測値や理論解析で得た値とほぼ一致したデータを取得しました。旋回時などでの応答性が高くリアルタイム性に優れていることも確認しました。同様のセンサーシステムは海外でも開発が進められていますが、実際に人が乗るビジネスジェット機での実証に成功した点で、国際的な最先端領域を開拓できました。

「飛翔」主翼下面に0.2mm程度の光ファイバーセンサーを貼付した

HOTALWの飛行実証で、飛行中の機体の詳細データを取得できれば、機体設計の際に強度などをそれに合わせて最適化でき、将来の機体構造軽量化などに役立てられます。また、航空機の機体状況を常時モニタリングできれば、機体の損傷や変形をすぐ把握でき、保守点検作業や航空機運用の効率化にもつながります。


2019年6月25日更新
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