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宇宙航空研究開発機構

光学計測技術

流れに影響を与えないレーザーやカメラなどの光学的な手法で、流れ場の圧力や速度、模型の形状変化などを計測する技術です。模型に圧力に反応して明るさの変化する感圧塗料(PSP)を用いた圧力計測技術、流れに細かいオイル粒子を混ぜて流れの速度を計測する粒子画像流速計測法(PIV)、揚力によってたわむ主翼の形状変化を計測する模型変形量計測(MDM)の3つの光学計測技術を風洞試験で活用しています。

感圧塗料(PSP)

これまで風洞試験における圧力測定は、模型の圧力センサーを組み込む必要があり、センサーが組み込まれた各点単位でしか圧力データを得ることができませんでした。
感圧塗料(Pressure-Sensitive Paint: PSP)は圧力に応じて明るさの変化する発光塗料で、PSPからの発光をCCDカメラなどで計測することで圧力分布を画像として計測できます。PSPを圧力を図りたい模型等に塗布し計測することで、面全体で圧力分布を計測することができるようになりました。下図はPSP計測で得られた航空機形状模型の圧力分布であり、模型上の定量的な圧力分布が一目で分かります。
JAXAでは、PSPを標準計測技術として簡単かつ効率的に運用できるよう、自動化を大幅に取り入れ、風洞試験の進行とともにPSP計測データが処理される準リアルタイム計測システムである基幹PSP計測システムを開発し、使用しています。

PSP計測で得られた航空機形状模型の圧力分布

粒子画像流速測定法(PIV)

模型周囲の流れの速度分布や方向、渦の存在などを計測する技術が粒子画像計測法(Particle Image Velocimetry: PIV)です。このPIVは、空気中にトレーサーという直径1マイクロメートルほどの細かいオイルの粒子を混ぜて流し、シート状に照射したレーザー光の中を通過するトレーサーをカメラで撮影します。一定の時間間隔での2枚の画像からトレーサーの移動距離を計算することによりトレーサーを含んだ流れの速度、方向を測定する手法です。1枚の画像には何万個ものトレーサーが写っており、画像をコンピューターで統計処理することでトレーサーの移動距離を正確に計算します。
JAXAでは、2台のカメラを使ってトレーサーの画像を撮影することで、3次元の速度ベクトルを計測できるようになっています。
PIVは低速から遷音速までの風洞で使われ、模型の周りの目に見えない流れの速度や方向を計測できる技術として、様々な試験で活用が広がっています。

PIV計測で得られた航空機形状模型の主翼後流での空間速度分布
翼端渦(y=-500mm)やエンジンナセルの後流(y=-200mm)などが分かる

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